事業を継続させるために行うべきこと:コンサルティング戦略本部
企業は継続的に発展しなければならない。経営者の誰もがそう認識していることだろう。そのためには、さまざまな困難に立ち向かうこともある。その時に乗り越えられるかどうかは、次に述べる3 点をしっかり継続しているか、いないかによって決まると言っても過言ではない。
1.目的と、その達成手段を明確にする
企業は、何らかの目標を明確にしているはずである。例えば、その目標が売上高と経常利益であるとしよう。経営層はあらゆる状況を踏まえ、「○○期目標売上高□□□億円、経常利益〇〇億円」と設定した以上、その数字の目的をおのずと理解しているはずだ。しかし、社員はどうだろうか? 私の経験上、過半数の社員は理解していない。
そのような状況で、戦えるはずがない。よって、その目標が目指すことを社員に分かりやすく伝えていかねばならない。その過程で、結果を導くための方針を明らかにすることも必要である。そこまで徹底しなければ、必ずといってよいほど目標は形骸化する。
これは数値目標だけに限らず、目標を設定したときは達成手段も明確にすることが重要だ。また、関係するメンバーは全て、それを理解しておかねばならないことも付け加えておく。
簡単に聞こえるかもしれないが、これが実に難しい。実際、企業の多くはできていない。経営者の思いが独り歩きしているのだ。しかし、これができていないと現場は無駄な管理をたくさん抱え込むことになる。管理業務が多くなると、さまざまな人たちが関連業務に拘束されることとなり、本業に使うべき体力、気力がなくなってしまう。
経営者の多くは、この現象に気付いているようで気付いていない場合が多い。社員たちは気付いていることが多いのだが、目上に対して意見具申ができない。そうするうちに、風土が腐っていく。特に、日本の企業風土の多くがそうであろう。この現象をクリアしていかねば、世界とは戦っていけないと私は思う。
2.「誰が」「何を」「いつまでに」を明確にする
次に大切なのは、「誰が」「何を」「いつまでに」しなければならないかを明確に設定することだ。しかしただ決めるだけではダメである。指示する側、される側の両方の理解が必要だ。それができていないまま、指示する側が一方的に決めたり、逆に指示される側が勝手に決めたりしていないだろうか。これでは意味がないのである。
私もクライアント先で多々経験しているが、指示する側の思いが強過ぎるあまり、むちゃな設定をしてしまうケースが多い。すると案の定、指示される側は行動したふりをするか、音を上げて会社を辞めてしまう。
また、指示される側が勝手にこれらを設定する場合、自分の今の仕事を優先するあまり、無責任なものになりがちである。指示する側は、期限までジッと我慢しているが、結局、無責任な設定のため結果が付いてこない。これが数回続くと、指示される側は信用を失い、チームが崩壊してしまう。
3.チェックすべき行動具体策を明確にする
業績を上げるマネジメントで、最も肝心なのは「チェック」(評価・検証)である。これをしっかり継続させるには、特に上司の意識改革が必要だ。チェックが甘い上司は、そもそもチェックすべき行動や具体策が何かを理解していない場合が多い。
上司自身が良いと思った具体策を一方的に口頭指示したり、経営者から言われたことをそのまま部下へ落とし込んだり、部下の提案をそのままやらせたりはしていないだろうか。行動や具体策はきちんと共有化し、どこがチェックすべきポイントなのかを、双方が理解しておく必要がある。
次に、チェックは部下に制裁を与える目的で行うのではない、ということを上司は理解してほしい。チェックをし、できていなければ「なぜできないのか」と、すぐ本人(部下)に問いただしていないだろうか。
これをしてしまう上司は、なにか起きると他人のせいにする原因他人論的な人物である。そうではなく、上司はまず部下ができない原因の仮説を立て、それを部下と一緒になって解決していくという姿勢が重要だ。
チェックの仕方次第で業績はアップする
チェックのファーストステップとしては、「誰が」「何を」「いつまでに」を常に意識すること。もし、この3つが広範囲にわたるのであれば、チェックがしやすい仕組み(見える化)を整えねばならない。
セカンドステップは、チェックの先行管理をすること。上司は、部下が翌日にチェックすべき内容を理解した上で、事前に部下へ打診したり、メールで関係者と共有化するなど、上司から働き掛ける癖を付けることだ。理想的なのは、1週間前の先行管理であろう。
そしてサードステップは、「チェックされる」ということを部下に意識させることである。ただ、ここで気を付けてほしいのが、前述した通り、チェックに制裁的な意味合いを持たせてはいけないということだ。「良い結果を出して上司に報告したい」という意識にさせることである。
そのようにするためには、「失敗しても部下を責めない」「失敗原因を共に解決していく」という社風を定着させることが不可欠だ。ただし、解決までのサイクルを短くすることが原則である。
以上の3つの内容を確実に実行すれば、成長企業へと飛躍できるだろう。共に頑張っていきましょう!