コンサルティング メソッド
2022.04.01
タナベグループ対談:価値を共創するブランディングパートナー ジェイスリー×タナベコンサルティング
【図表】ジェイスリーの目指すブランディング
出所:ジェイスリー提供資料よりタナベコンサルティング作成
足立 功治(あだち こうじ)氏
ジェイスリー 代表取締役社長
インフォメーションデザインを主軸にキャリアをスタートし、インターネット創成期において大手企業サイトの構築やプロモーション企画のプロデュースを数多く手掛ける。現在はBtoB企業やスタートアップ、自治体の課題解決のため、ブランディングとDXの知見を生かしてコンサルティングを行っている。
中川 桜(なかがわ さくら)氏
ジェイスリー 取締役
1998年よりカタログやSPツール制作中心の制作会社にてデザイナーとしてのキャリアをスタート。2000年ジェイスリー入社後、本格的にエディトリアルデザイン業務に従事し、多数の月刊誌、旅行系雑誌やムックのアートディレクターを歴任する。現在は、ウェブメディアの企画や制作ディレクション、インナーブランディングのコンサルなど、クライアントの課題解決のための改善・提案・立案およびコンサルテーションなど幅広い業務を担う。
井上 裕介(いのうえ ゆうすけ)
タナベコンサルティング ドメインコンサルティング東京本部 部長
大型リゾート・旅館にてホテル、スキー場、飲食店舗の運営を行い、新規企画開発・人材育成・業務改善・収益改革などに従事後、2017年タナベコンサルティング入社。2021年よりドメインコンサルティング東京本部部長兼食品成長研究会リーダー。現場経験を生かした戦略設計や、業務改善、組織マネジメント構築・運用支援、事業後継者育成、収益改革、衛生環境構築にまで幅広く活躍している。
竹綱 一浩(たけつな かずひろ)
タナベコンサルティング 執行役員 マーケティングコンサルティング大阪本部
「クライアントとともにユーザーに想いを届ける」を信条に、最新のトレンドを活用したプロモーションやブランディングの企画・ディレクションから施策実行までワンストップで支援するコンサルティングを展開。大手BtoC企業のプロモーション支援の経験を生かし、ブランドイメージやキャラクターなどの魅力を最大限に発揮するプレミアムグッズ製作を得意とし、動画やウェブ制作なども手掛ける。
出所:ジェイスリー提供資料よりタナベコンサルティング作成
経済産業省・特許庁は、2018年の「デザイン経営」宣言で、デザインは企業価値を向上させる重要な経営資源であり、社会や市場にまだ見えない形で存在する課題を抽出し解決する重要性があると説いている。クリエイティブの力で顧客の企業価値分析から事業戦略の構築、広報まで包括的に支援しているジェイスリーが、ブランディング戦略についてタナベコンサルティングと討議した。
ブランド構築やブランド価値の向上を支援
タナベ 井上 ジェイスリーは、大企業から中堅企業のブランド構築やブランド価値の向上、新たな価値の創造に取り組んでおり、クライアント総数は500社以上に達します。まず、会社概要と沿革をお聞かせください。 J3 足立 当社は1986年に現顧問の千坂和寿が設立。「人が、ヒトと、ひとへできることを大切にしていこう。」という企業理念の下、ブランディングやCXデザイン、マーケティングDXに関するノウハウと知見を生かし、企業の「価値を共創するブランディングパートナー」として、ブランドマネジメントを多角的にサポートしてきました。 創業当初は紙媒体のグラフィックデザインが業務の主体でしたが、2000年前後から始まるデジタル化をいち早く察してウェブ時代のクリエイティブへ方向転換し、事業を拡大していきました。私はデザイナー出身で、2020年に社長就任。プランニングやマーケティング、テクノロジーを含めたクリエイティブを提供し、クライアントの“価値”を効率的に伝えるブランディングに注力しています。 タナベ 井上 クリエイティブの領域でも、デジタル比率は上がっていますか。 J3 足立 はい。紙媒体はコロナ禍のインパクトを強く受けており、発行中止やウェブへの転換が進んでいます。また、通信販売の主力窓口も紙媒体からネットへ移行するなど、販促活動も今やデジタルなしには成り立たない状況です。 タナベ 井上 ブランディングに対する考えをお聞かせください。 J3 足立 ブランディングとは企業の「資産」であり、「価値」そのもの。しかし、実際にクライアントと話をすると、自社の価値を正確に表現できなかったり、人によって捉え方がバラバラだったりします。そこで、さまざまな意見を整理しながら自社の価値の確立をお手伝いし、それを可視化して世間へ正しく伝えていくことをブランディングの軸にしています。 タナベ 竹綱 ブランドの構築はどのように進行するのですか。 J3 足立 当社のブランディングに関する事業は、“見つける・導く”を支援する「リサーチ&コンサルティング」、“つくる・伝える”を支援する「クリエイティブ」、“広める・育てる”を支援する「マーケティング&グロース」という3つのフェーズに分かれます。ただ、フェーズ単体でオーダーを受けることはめったにありません。3つのフェーズが重なりながら、ブランディングが進んでいくからです。(【図表】) 例えば、「ウェブサイトを格好良くしたい」とのオーダーを受け、先方の担当者から話を聞くと「問い合わせが全然来ない」「サイトが見づらい」「スマホに対応していない」といった事情が明らかになります。そこでサイトのデザインや機能を刷新するだけでなく、「リサーチをかけて営業課題を洗い出しましょう」「課題解決に向けたマーケティング戦略を構築しませんか」といった提案を行い、その実施をサポート。さらに、ブランドの成長や運営まで支援していくイメージです。その間、クライアントとは定例会を開催するなどして交流の維持・拡大を図ります。 タナベ 竹綱 現在、アウトプットはどの領域までカバーしていますか。 J3 中川 ウェブサイト構築からSNS運用方針の策定、コンテンツの企画まで幅広くフォローしています。コロナ禍でコミュニケーションがリアルからデジタルへ転換し、SNSの動画制作や運用、キャンペーンに対する相談が急増しており、SNS立ち上げやガイドラインの策定なども行っています。
足立 功治(あだち こうじ)氏ジェイスリー 代表取締役社長
インフォメーションデザインを主軸にキャリアをスタートし、インターネット創成期において大手企業サイトの構築やプロモーション企画のプロデュースを数多く手掛ける。現在はBtoB企業やスタートアップ、自治体の課題解決のため、ブランディングとDXの知見を生かしてコンサルティングを行っている。
中川 桜(なかがわ さくら)氏ジェイスリー 取締役
1998年よりカタログやSPツール制作中心の制作会社にてデザイナーとしてのキャリアをスタート。2000年ジェイスリー入社後、本格的にエディトリアルデザイン業務に従事し、多数の月刊誌、旅行系雑誌やムックのアートディレクターを歴任する。現在は、ウェブメディアの企画や制作ディレクション、インナーブランディングのコンサルなど、クライアントの課題解決のための改善・提案・立案およびコンサルテーションなど幅広い業務を担う。
イメージギャップを把握し、ユーザーの目線に立つ
タナベ 竹綱 近年、クライアントのブランディングに対する意識に変化はありますか。 J3 足立 「コロナ禍でリモートワークへの転換が進むと社員のコミュニケーションが薄まり、帰属意識も低下する。そのような状況で社員をどうまとめていくか」という課題を抱える経営者が増えています。社員へのインナーブランディングを浸透させるため、社員向けウェブサイトの立ち上げや社内報の発行などを提案しています。その際に最も意識するのは、「『自分ごと』にしてもらう」伝え方です。 J3 中川 社内向けのメッセージは、社員が「これは自分たちのことではない」と感じた瞬間、意味を成さなくなります。発信者である経営陣が描く「社員からの見られ方」と、受信者である社員が抱く会社のイメージには必ずギャップがあるもの。会社の本質を理解した上で、そのギャップを把握しないと、社員に自分ごととして捉えてもらえません。成功事例としてミヨシ油脂(東京都葛飾区)のウェブサイトが挙げられます。 タナベ 井上 BtoBの油脂製品メーカーである同社のカラーを見事に表現したサイトだと感銘を受けました。 J3 中川 同社を深く理解するため、東京・名古屋・神戸の各工場を見学し、社員の方から話を聞きました。その結果、普段は表に出ない製造現場に同社の本質があると確信。工場で働く人々の姿をアピールすることを提案しました。そうして出来上がったウェブサイトは、「社会からの共感が得られるし、社員も家族に自分の仕事を知ってもらえる。人材採用への効果も想定以上」と、高評価を得ました。私たちも「狙った全ての層にアピールできた」と自負しています。 タナベ 竹綱 成功したポイントは何だと分析しますか。 J3 足立 クライアントの社員と同じ目線に立つことです。社員とのコミュニケーションを深めると、何気ない会話の中から現在抱える課題を推察できるようになりました。 商船三井(東京都港区)が運行するフェリー「さんふらわあ」のオウンドメディアサイトの制作に際しては、他社のフェリーにも乗船し、ハード・ソフトの両面から船旅の楽しさを検証するなどの研究を重ねて企画を立案。SEO(検索エンジン最適化)に特化したサイト構築も功を奏し、ブランドの浸透・向上に貢献することができました。 タナベ 井上 徹底的な事前調査を行い、社員や顧客と同じ目線に立ってインプットすることが、アウトプットに大きく関わるのですね。ウェブサイトに対するニーズは変化していますか。 J3 足立 CXへのシフトが進んでいると感じます。時間をかけずにどれのほど魅力的な体験を顧客に伝えるかが求められるようになりました。 J3 中川 マーケティングではOMO(Online Merges with Offline)の重要性が叫ばれています。CXについても同様で、お客さまが望むリアルとデジタルの比率を察知してハイブリッド化を進めないと普及しないでしょう。
井上 裕介(いのうえ ゆうすけ)タナベコンサルティング ドメインコンサルティング東京本部 部長
大型リゾート・旅館にてホテル、スキー場、飲食店舗の運営を行い、新規企画開発・人材育成・業務改善・収益改革などに従事後、2017年タナベコンサルティング入社。2021年よりドメインコンサルティング東京本部部長兼食品成長研究会リーダー。現場経験を生かした戦略設計や、業務改善、組織マネジメント構築・運用支援、事業後継者育成、収益改革、衛生環境構築にまで幅広く活躍している。
竹綱 一浩(たけつな かずひろ)タナベコンサルティング 執行役員 マーケティングコンサルティング大阪本部
「クライアントとともにユーザーに想いを届ける」を信条に、最新のトレンドを活用したプロモーションやブランディングの企画・ディレクションから施策実行までワンストップで支援するコンサルティングを展開。大手BtoC企業のプロモーション支援の経験を生かし、ブランドイメージやキャラクターなどの魅力を最大限に発揮するプレミアムグッズ製作を得意とし、動画やウェブ制作なども手掛ける。