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コンサルティングメソッド
コンサルティング メソッド
タナベコンサルティンググループの各分野のプロフェッショナル・コンサルタントが、経営戦略・事業戦略・組織戦略などの経営メソッドを解説・提言します。
コンサルティングメソッド 2018.11.30

“あたらしい”を生み出す これからのチームづくり:森井 修

③“あたらしい”を生み出す「人」づくり

 

“あたらしい”を生み出す「企業風土」と「仕組み」の構築は、社員のモチベーション向上へとつながる。えがおホールディングスが実施したチームでの取り組みや、横断型プロジェクトの推進なども大いに参考になる。

 

現場改善、事業アイデアなどを生み出すのは「人」であり、その知恵の発揮がチームづくりの基盤となる。そういった、たゆまぬ行動に挑戦する「人づくり」のためには、新規事業や業務改善などの取り組みをどのように評価していくかといった、人事の評価制度や賃金制度への取り組みも必要であろう。

 

また、どういったチームメンバーを、組織内で構成するかも重要である。チーム内にリーダーは1人で十分であり、それを支えるスタッフとのバランスが必要だ。それぞれの性格特性に応じ、メンバーをどのように配置していくのかも重要な要素である。多様性と個性を科学的にアプローチするタレントマネジメントシステムもそのうちの一つだ。

 

さまざまなことに挑戦し、その中で新しい物事を生み出す萌芽が一人一人の心に育っていけば、自主的に考え、動く人材の育成目的が達成されたと言っても過言ではないだろう。

 

 

提言・改善のポイント

 

人事戦略の大きな転換が叫ばれている。しかし、顧客価値の追求を支える自由闊達な組織は、経営企画や人事の担当者、プロジェクトリーダーなどがチームづくりやマネジメントの在り方をしっかり理解していなければ、構築することはできない。

 

これからの時代に必要な“あたらしい”を生み出すチームづくりは、「企業風土」と「仕組み」、そして「人づくり」のどれか一つでも欠けると成立しない。人材マネジメントの目的が組織力・人材力最大化であるならば、それこそチームづくりを軸として、あらためてひもといていく必要があるように思える。

 

従来から見られる人事制度や賃金、評価制度の改定も必要であるが、①チームづくりの基本、②多種多様なチームの実態、③チームを生かす人材マネジメント(ユニークな制度や独自性のある取り組み)などの学習を通じ、経営者をはじめ経営企画担当者やプロジェクトマネジャーと呼ばれる人たちが、“あたらしい”を生み出すチームづくりについて深く洞察する機会を設けることを推奨したい。

 

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PROFILE
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森井 修
Osamu Morii
タナベ経営 経営コンサルティング本部 部長 人材マネジメント研究会 リーダー。企業規模・業種にかかわらず、一貫して「人」を中心としたコンサルティングに従事し、組織・人事をはじめ、バックオフィスの課題に対し、実践的な改善策をアドバイス。豊富な体験に基づいたコンサルティングで、多くの企業から高い評価を受けている。人材マネジメント研究会リーダーとしても、幅広く活躍中。