コンサルティング メソッド
2018.04.27
データ活用によるファンづくり ストラテジー&ドメイン
小売業を取り巻くマーケットの変化
ようやく盛り上がりつつある小売業であるが、今後の先行きを考えると安穏としていられない。小売業は、人口規模・世帯構造・購買行動の影響を直接的に受ける業種であり、これらの因子がこれから大きく変化していくからである。次に、この3つの因子の現状と先行きを押さえてみたい。
(1)加速する人口減少
国内人口の減少に歯止めがかかっていない。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来予測によると、日本の総人口は2015年の約1億2710万人から、東京オリンピック・パラリンピック開催年の2020年には1億2533万人と177万人減少し、2055年までに1億人を割り込む見通しである。
これに伴い、高齢化率(全人口に占める65歳以上人口の割合)が25%を突破し、2025年には「団塊の世代」(1947~49年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となり、2040年には高齢化率は35%を突破することが見込まれている。日本は世界でも類を見ない超高齢化社会となることが確実視されている。
(2)単独世帯の増加
社人研の国内世帯数の将来予測を見ると、日本の世帯総数は2015年の5333万世帯から増加を続け、2023年には5419万世帯とピークに達する。しかし、平均世帯人員は減少を続け、2015年の2.33人から40年には2.08人となる見通しという。
この世帯数の増加の要因は、単独世帯の増加である。総世帯数に占める家族類型別の割合を見ると、単独世帯が2015年の34.5%から、2040年には39.3%と約4割に達する一方、これまで消費の主役であった「核家族」世帯の割合は56.0%から54.1%に低下する。
(3)進む電子購買
一方、オムニチャネルや電子マネーを使いこなすデジタル世代を中心に、Webでの購買が増え続けている。経済産業省の調べによると、消費者向け電子商取引(BtoC-EC)の国内市場規模は、2016年時点で15.1兆円(前年比9.9%増)。2010年(7.8兆円)から6年で約2倍の規模に拡大した(【図表2】)。とはいえ、EC化率(全商取引に占める電子商取引の割合)は5.43%(前年比0.68ポイント増)にすぎず、個人消費市場全体から見れば、まだまだ実店舗(リアル店舗)での買い物が主流である。
実店舗とネット販売の特徴は【図表3】の通りだ。従来、この2つの業態はすみ分けが明確であったが、近年は実店舗を展開する企業がEC拡大戦略をとり始めており、EC化率をKPI(重要業績評価指標)としているところも増えている。他方、EC事業者の間では、米Amazonのように実店舗を出店する事例が現れている。インターネット通販事業を通じて構築したブランド価値を、リアルの場でも生かしつつ、ネットの売り上げにつなげていく相乗効果が狙いである。
いずれにせよ、実店舗とネット販売の融合型企業が増える中、顧客ニーズはさらに専門化・細分化していくことが考えられる。