ポイント
お話を伺った人
株式会社土屋ホーム 代表取締役社長 山川 浩司氏
2ブランド制を導入し、既存イメージ脱却と営業のデジタルシフトを実現している
デジタルへのビジネスモデルシフトが受注増に直結
—— 2つの住宅ブランドを立ち上げ、住宅販売数を大きく伸ばす土屋ホーム様。好調の裏側には、北海道らしさ、土屋ホームらしさを明確にするブランディングと、ブランドと一体化した緻密なデジタルマーケティング戦略があります。ブランディングについては、2019年に『CARDINAL HOUSE(カーディナルハウス)』と『LIZNAS(リズナス)』の2ブランド制をスタートされています。
山川:2021年の受注数は『CARDINAL HOUSE』『LIZNAS』を合わせて659棟※と、ブランド投入前と比べて約1.7倍になり、全社の収益改善に大きく貢献しています。
2つのブランドはターゲットが異なります。まず、『CARDINAL HOUSE』は「テイラーメイド・アトリエ」をキャッチフレーズに展開する注文住宅のブランドで、世界で1つしかないこだわりの家づくりをご提案します。
一方、『LIZNAS』は「価値ある家を、お手頃に」提供する企画住宅ブランド。土屋ホーム品質はそのままに、精緻な計算に基づいたコストカットを実現しリーズナブルな価格と暮らしやすさとを両立する150種のプランを開発しています。住宅購入のボリュームゾーンである20代、30代を中心に受注を伸ばしています。
※特殊建築物含む
—— 50年以上の歴史を持つ土屋ホーム様は、北海道内において高性能の注文住宅というイメージが定着していました。この時期に2ブランド体制を導入されたのはなぜでしょうか。
山川:「少しお高い注文住宅メーカー」というイメージからの脱却と、営業のデジタルシフトが目的です。当社は、北海道の厳しい自然の中でも快適に過ごせる高性能で環境に優しい注文住宅を多数手掛けてきましたが、半面で「土屋ホームは高い」というイメージが定着しつつありました。
今回のブランディングでは、北海道ブランドを全面に打ち出した上で、高級路線の『CARDINAL HOUSE』、お手頃な『LIZNAS』として商品を明確化。さらに、ホームページやSNSなどに重点を置いたデジタルマーケティングを前提に、デジタルで刺さるビジュアルやキーワードにこだわってブランドの世界観を作り上げていきました。
「価値ある家を、お手頃に」提供する企画住宅ブランド『LIZNAS』。デジタルで刺さるビジュアルやキーワードにこだわりながら、ブランドの世界観を作り上げたという