会社を良くするための人事制度
次世代リーダー人材を育て、個々の成長を促す
—— ここからは、新人事制度を全社へ周知・浸透させていく段階です。
船越:そうですね。一旦は完成しましたが、これから1年かけて全社員を対象に説明会を開催し、現場の社員の声を拾い上げて反映させ、磨きをかけて導入したいと考えています。
人事制度は会社を良くするためのものであり、新人事制度は次世代のリーダー人材育成や個々の成長も促せると思います。加えて、一人一人のポジションや成果に応じた適切な評価・賃金の処遇を受け、どんな仕事や人生を歩みたいか、経験やスキルに応じた将来のキャリアプランの設計もサポートできる。多少時間はかかっても、社員が納得できる制度に仕上げたいですね。
全社員への周知に向けて、「人事制度ガイドブック」も作成しました。全社員に配布して、「評価基準の明確化」「キャリア形成の促進」「成果なくして分配なし」を重視する新制度だと、しっかり伝えていきます。
セミナーが、自分自身を変える貴重な経験に
—— タナベ経営へ依頼したメリットやきっかけがあれば教えてください。
船越:人事制度構築に関しては総務部中心に担当しており、ある程度出来上がった段階でアドバイスをする形で進めています。人事制度の課題を洗い出し、議論や検討を深める上でのパートナーとして、また評価項目案を提案いただくなど、タナベ経営の手厚いサポートを受けたおかげで、着実に進めることができました。
私自身はこれまで、タナベ経営のいろいろなセミナーに参加させていただきました。中でも、幹部候補生スクールでは異業種の人たちと議論する中、いろいろな意見があることを知りましたし、それをまとめていくプロセスなど非常に勉強になりました。その時の経験から、幹部候補生スクールに参加する社員には今も、「いろんな会社の人といっぱい話すように」と言っています。
また、社長教室では「社長は判断と決断をすればよい」という話を聞き、トップダウンをやめよう、と決めるきっかけになりました。これらのセミナーは、自分を変えてくれた貴重な経験です。
—— 2021年度の経営方針は「拠点充実」を掲げていました。
船越:一人一人が意識と行動を変える「自己改革」の1年目を終えたので、次なるステージとして、一人一人の集まりである拠点を変えていくという流れです。
拠点充実においても、鍵を握るのはボトムアップです。当社の場合、多くはプレイングマネージャーとしての役割と責務が求められますが、残念ながら、支店長を任せる次世代の人材育成が不十分とも感じています。
支店長の意識と行動が変われば、拠点の社員も行動を起こしやすくなり、業績も上向いていくので、新任支店長はマネジメントや部下育成、戦略立案などを学ぶタナベ経営の「幹部候補生スクール」に派遣していきます。
新本社ビルが完成
「新しいカクヒログループ」へ
—— カクヒログループの今後の展望についてお聞かせください。
船越:角弘は今、グループ12社の親会社的存在です。ただこれからは、角弘は祖業とも言える資材事業に一本化し、燃料やPGなど他の事業も分社化してホールディングス化するという、新しいカクヒログループのイメージを描いています。
具体的な未来ビジョンをつくり、実現していくのは、次の世代にバトンを託してからですね。今はまず、売上や生産性を10年前の規模に回復して、「強い角弘」の姿を取り戻すことが最優先です。
本業が強いからこそ分社化もできますし、M&Aもしながらグループとして発展し、シナジーも発揮していける。その先に自ずと、「100年先の貢献」が見えてくると思っています。
—— 2022年完成予定の新本社ビルについてお聞かせください。
船越:青森駅前の目抜き通りに位置する社屋で、本社オフィスだけでなく、ホテルや商業施設のテナントも入居予定です。新本社ビルで、“青森市の象徴”“地域への貢献”“癒しの空間”を体現していきたいですね。地域とともに未来へ歩みを進めていくのが、当社のありたい姿です。サッカーやバスケットボールの地元プロチームのパートナー、スポーツ・教育施設のネーミングライツ・運営管理など、幅広く地域振興に貢献を続けていきたいと思います。
2022年に完成予定の新本社ビル。ホテルや商業施設も入居予定で、“青森の象徴”“地域貢献”“癒しの空間”を体現していくという
PROFILE
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- 会社名:株式会社角弘
- URL:http://www.kakuhiro.co.jp/
- 所在地:青森市新町2-5-1(仮移転先:青森市第二問屋町3-7-10)
- 設立:1883年
- 従業員数:320名(カクヒログループ12社・1300名)
※ 掲載している内容は2021年11月当時のものです。