スタートアップファースト志向による革新性
今回はニューヨークのデジタルテクノロジー企業を中心に紹介したが、日本においても今後ますますデジタルテクノロジーを活用する重要性は高まってくる。
そのデジタルテクノロジーがあらゆるドメイン・業種別に開発されていくことだろう。従って、世界に目を向ければ、それらの技術を駆使することで業種や規模に関係なく、スタートアップ企業のテクノロジーを起点に、新しいサービスを生み出すことができる。これを「スタートアップファースト」と呼ぶ。
日本では今後の20年間で労働力人口の減少がさらに進み、GDPは下がり続けてもおかしくない状況である。働き方改革関連法が2019年4月から順次施行され、生産性がますますキーワードとなる中、テクノロジーの活用によるデジタルトランスフォーメーションへの取り組みは企業の必須課題であろう。そして、その新しいテクノロジーの源泉は紛れもなくベンチャー企業やスタートアップ企業である。
タナベ経営でも、日本経済新聞社主催のピッチイベント「スタ★アトピッチ関西」の協賛として参加するなど、有力なスタートアップ企業の発掘に力を入れている。
顧客が求める付加価値が「モノからコト」へシフトし、労働力人口の減少といった外部環境により、企業は少ないリソースでもこれまで以上に付加価値を顧客へ提供し続けなければ、その存在価値は薄れてしまうだろう。企業はテクノロジーの活用などにより、これまで以上の生産性で顧客からの「共感」を得られる商品・サービスを提供し続ける必要がある。
さらに今後は、ポスト東京オリンピック・パラリンピック、消費税の増税、SDGs(持続可能な開発目標)への対応など企業を取り巻く価値観は大きく変化していくだろう。
変化する環境への対応に向け、スタートアップ企業やベンチャー企業の先端技術に再度注目し、バックキャスティングで2030年を見据えたイノベーションを促進してもらいたい。