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コラム
タナベ語録
タナベコンサルティンググループの経営コンサルティングの基盤となっている考え方を、各テーマに沿って紹介します。
コラム 2021.08.11

Vol.02 知っておきたい「経営の原理原則」

   
目標必達の先行管理のポイント
  企業経営においては、「先行指標」を重視し、先行管理を行う必要があります。 なぜなら、経営は生き物であり、今日の繁栄が明日を保証しないからです。業績の中身を慎重に分析して、先手を打たなければ、経営は危機にさらされることになります。   例えば、売上高、製品単価は「先行指標」、利益は「同時指標」、資金繰りは「遅行指標」です。売上高が伸びていれば、利益が出て、資金繰りも楽になります。   逆に製品の力が落ちてくると、販売数量が落ち、価格(製品単価)も下がり、利益が落ちます。その結果、資金繰りが苦しくなります。資金繰り(遅行指標)が悪くなって慌てても遅いのです。   タナベ経営が提唱・実践してきた目標必達の先行管理のポイントは、次の3点です。   1. 当期目標を、先行累計目標から確定分を引いた「先行累計目標差額」で捉える。 2. 目標差額を埋めるための当期差額対策を明確にする。 3. 3カ月ごとに先行で手を打つ。    
10・20・40・80 の倍数モデル戦略
  10・20・40・80の倍数モデル戦略とは、次の通りです。   10……1社取引ウエート10%以下のリスク分散 20……ターゲット市場においてシェア20%以上のニッチトップ 40……粗利益率40%以上のブランド力 80……リピート率80%以上のベース業績力   建築物がそうであるように、構造計算を誤れば、弱い揺れの地震であっても建物は崩壊します。耐震性の高い安全な建物を設計するように、「強い事業構造の設計」を行うことが、会社という建物を長く存続させる条件となります。それを「事業構造の倍数戦略」と呼びます。   倍数とは「10」から始まり、「20」「40」「80」と、これらの数値キーワードを事業の構造設計に織り込むことを意味します。4つの倍数を満たす事業モデルで既存事業を再構築することもできるし、倍数の逆算から新しい事業を生み出すこともできるのです。    
3つ以上の事業領域を攻略
  儲かっているからといって1つの事業だけをやっていると、いずれ経営のバランスを崩すことになります。これを予防し、正しく変化(シフト)する事業戦略が「1T3D(ワンティースリーディー)戦略」です。   「1T」の「T」とは、「テクノロジー(固有技術)」のこと。「3D」の「D」は、「ドメイン(事業領域)」の意味であり、ターゲットとなる事業領域を3つ以上、創造することを意味します。   ある事業でナンバーワンになっても、トップであり続けることは難しいもの。その地位に甘んじることなく「1つの固有技術を駆使して、3つ以上の事業領域を攻略し、リスクを分散しながら、それぞれでの“ナンバーワンブランド”の創造に挑戦すること」が1T3D戦略の本質です。   まず、ターゲットとなるドメインでニッチトップ(隙間でナンバーワン)になります。しかし、主役は必ず交代します。「卵を一つの籠に盛ってはならない」。その現実を直視することから「1T3D戦略」が始まります。結果、新規事業開発へ取り組むコンセプトが生まれるのです。          
パートナー企業と「オープンイノベーション発想」で取り組む
  価格競争の厳しい中、販売価格を維持し、コストアップを吸収していくためには、パートナー企業の在り方、仕入れの手法を見直すことが重要です。   市場開発を行っているパートナーと共に、オープンイノベーションの発想で取り組む時代なのです。   仕入れ先は、単なる物品の納入者ではなく、経営方針や商売の考え方を理解し、企業繁栄のため手を携えてやっていけるパートナーでなければなりません。共に儲けられる関係づくりに向け、相互に努力し、長く付き合える仕入れ先を多く持つことが、利益向上の秘訣です。   取引が長くなると、マンネリ化して互いに成長を怠りがちになります。ニーズにマッチした新しい製品やサービスを提供してくれる新規仕入れ先、あるいは、コストダウン努力の厳しい業界からの新規仕入れ先などの開拓も怠ってはなりません。   しっかりした仕入れ先は、売れ筋商品や価格の情報、さらには業界情報やライバル情報に至るまで、有効な情報を持っています。それらを上手に引き出し、活用するのも大事です。   本社での一括集中仕入れ、工場・支社・支店での分散仕入れには、一長一短があります。業種・業態によってメリットやデメリットは異なるので、十分に検討すべきです。   仕入れ担当者は積極的に外へ出て、仕入れ先を歩き、勉強して回り、生きた情報を取り入れるべきです。単なる仕入れ担当者から“オープンイノベーション担当者”へ育成することが大切です。    
決断と行動のできる役員が求められる
  経営は試行錯誤の繰り返しであり、仮説を立てて検証する以外に道はありません。   目まぐるしく変化する経済環境下では、スピードとの闘いであり、判断するための材料が完全にそろっていなくても決断せざるを得ない状況もしばしばあります。   したがって、決断のミスは臨機応変に行動で補うしかありません。決断と行動で企業活動を修正していける役員が求められるのです。   状況によっては、取締役会の見直しが必要なケースもあるでしょう。 会社法上の取締役会設置会社における取締役会は、株主総会で選任された取締役を構成メンバーとする会社の重要な業務執行についての意思決定機関です。   具体的には、会社法において重要な財産の処分・譲り受け、多額の借財、支配人・重要な使用人の選任・解任、支店・重要な組織の設置・変更・廃止、内部統制システムの構築、その他重要な業務執行については、必ず取締役会において決議しなければならない旨が規定されています。   また、取締役は、取締役会を通して代表取締役や業務執行担当取締役の業務執行を監督する立場にあります。つまり、個々の取締役も取締役会を通して代表取締役に対する監視義務があることは、会社法上も判例法上も確立した義務です。変化の激しい時代において、適切な決断、迅速な行動のできる体制を整えていくことが不可欠です。     ※本文・図はタナベ経営主催「社長教室」のテキストを抜粋して制作しています。