北海学園大学で学生向けに講演。TCGの経営コンサルティングナレッジを提供 北海学園大学×タナベコンサルティンググループ
北海学園大学経営学部経営学科の今野喜文教授(右)と
タナベコンサルティング堀部諒太(左)
北海学園大学の校舎
タナベコンサルティングは2023年11月30日、北海学園大学(札幌市)経営学部の学生に向けて「経営コンサルタントの仕事とコンサルティング事例」に関する講義を行った。
この講義は、同大学経営学部経営学科の今野喜文教授の意向を受けて実施したもの。近年、経営コンサルティング会社への就職を希望する学生が多いことから、今野教授が経営コンサルティングの実務や実際の企業コンサルティング事例を学ぶ機会として企画した。
当日はタナベコンサルティング北海道支社・堀部諒太が講師となり、タナベコンサルティンググループ(TCG)の理念やベースとなる考え方、経営コンサルタントの仕事内容について紹介後、最近のコンサルティング事例について解説。就職活動中の学生にとって進路選びのヒントとなるアドバイスや、学生にとって分かりやすい事例を交えながら講演した。
経営コンサルタントの「生の声」を届け、学生の進路選びをサポートする機会となった
トップの決断を支え、企業価値向上をサポートする
講義では、「会社概要」「経営コンサルタントの仕事」「コンサルタント事例」について解説。講義冒頭、TCGの概要について、
と説明した。また、TCGの経営理念「企業を愛し、企業とともに歩み、企業繁栄に奉仕する」に触れ、「経営理念に『愛』という言葉が入っている通り、顧客企業のためになることを考え、企業価値を向上させるためにサポートするのが経営コンサルタントの役割」と紹介した。
さらに、TCGが下図のように全方位型で、トップの決断を支える経営コンサルティングバリューチェーンを構築していることを解説。経営コンサルティング業界におけるTCGのポジションを示しながら、経営者を主軸としつつ、経営幹部やリーダー層も巻き込みながらコンサルティングを提供していることを紹介した。
出所:タナベコンサルティング作成(講義資料より抜粋)
経営コンサルタントは「企業のビジネスドクター」
経営コンサルティングの仕事内容については、「経営コンサルタントは企業のビジネスドクター。人間は体や心の健康でも自己診断だと間違うことがあるが、経営も同じ。経営コンサルタントは医師と同様に会社の病状を診断して、症状の改善策を示し、『健康』になるように改善策の実行を支援する。あくまでも黒子として、経営の『判断』を支える仕事」と紹介した。
また、「企業は環境適応業。企業が持続的に発展していくには儲け(利益)が必要であり、そのためには外部環境の変化に応じ、常に対応し、自ら変わっていく必要がある。同じ事業をしているだけでは存続も発展もできない」と解説した。
さらに、外部環境の変化に合わせて、 パーパス経営、事業ポートフォリオ戦略、M&A、ホールディングス・グループ経営、新しいビジネスモデル、デジタル、人的資本経営、ESG・SDGsといった新しい経営技術が必要となっていることを強調した。
パーパス経営、事業ポートフォリオ戦略などの最新経営技術を紹介
講義ではさらに、新しい経営技術について詳細を解説。パーパス経営については、「戦略とはミッションを実現する独自の方法、目標とは戦略の中期的なゴールであり、企業にとって両者が不可欠。コンサルティングの実務として、これらの策定支援に関わることも多い」と説明した。
出所:タナベコンサルティング作成(講義資料より抜粋)
企業発展のために不可欠な「事業を増やす」戦略については、 1.既存事業を専門性で切り分ける 2.M&Aで新しい事業を立ち上げる 3.新規事業を立ち上げる の3つがあると指摘し、それぞれの現状や難しさについても解説した。
そして、「ミッションとつながりのある事業を計画的に創り出すことが重要。成長性と収益性を見て、撤退、再編、投資を判断することが求められる」「撤退判断は経営の中で特に重要。累積投資額が多いほどやめられなくなる。事業を始める際は、撤退基準をあらかじめ決めておくことがポイント」など、コンサルティング実務に基づくメソッドを交えながら、事業ポートフォリオ戦略について詳述した。
出所:タナベコンサルティング作成(講義資料より抜粋)
経営者のパートナーとして常に問いかけ、変革を促す
最近の組織デザインの特徴については、ピラミッド型ではなく、複数のリーダーを育成し、経営判断を迅速化していく組織が増えていることに言及。
組織改革・HRのコンサルティングについては、「組織は戦略に従う。『できない』なら『できる』形に変えるべき。コンサルティングの仕事は、これを自分自身が理解し、相手にも理解し納得してもらい、変えてもらうこと。参謀でありパートナーとして経営トップに問いかけ、環境適応を促すことが大切」と強調した。
出所:タナベコンサルティング作成(講義資料より抜粋)
講義では最後に、最近のTCGコンサルティング事例について紹介。精密部品製造のA社は、社内に社員食堂をつくり、企業内保育体制も整備。豪華で栄養バランスの取れたメニューの社員食堂は全国から注目を集めているが、同社ではさらに、食堂で社員の家族が一緒にご飯を食べることができる点が特徴である。「家族との絆を深めながら仕事に向き合える」環境を整えたことで、採用応募者が増え、社員のモチベーション向上や活気につながっているという。
また、建設会社B社は人材育成に注力。企業内に学校(アカデミー)を設立し、専門的なスキルや知識をいつでもどこでも、体系的に学べる仕組みを整えることで、企業価値および競争力を高めている。
リフォーム会社のC社は、既存事業の専門業化を進めながら事業数を増やしてきた。増やした事業は会社として独立させ、それぞれの会社に社長を据え、権限を持って事業を展開できる仕組みを整備。その結果、同業界において日本有数規模へ事業拡大を遂げてきた。
堀部は「あまり知られていないけれど良い会社はたくさんある。それを知り、深掘りできるのは経営コンサルタントの仕事の魅力の1つ」「『どういう人生を送りたいか』という志が大切。答えはなく、誰も教えてくれないが、職業観とともに人生観も養ってほしい。それが人生の岐路に立ち、選択するときの指針になる」とし、これから社会へ羽ばたく学生へのエールとともに講義を締めくくった。
■今野教授からのコメント・感想
講演ではTCGの事業概要、経営コンサルタントの仕事、実際のコンサル事例について、大変わかりやすくお話をいただきました。昨今人気のある経営コンサルタントの仕事内容は学生にとって非常に興味深く、好感の持てる内容だったようです。
「経営コンサルタントとはビジネスドクターであり、企業が行動を起こすための判断を与えるのが仕事」「企業は基本的に環境適応業。企業は税金を支払い、雇用を生み出し、従業員の家族までも支えているため、存在しているだけで価値がある。このため、企業は永続的に発展しなければならない」といった言葉は多くの学生の心に深く響いたようです。経営コンサルタントの仕事内容だけではなく、企業の本質について理解を深めることができたようです。本当にありがとうございました。
■受講した学生の皆さんの感想 ・自分の中にあるコンサルタントの役割像がより鮮明になりました。「課題を解決する」「変化を与える」といったように、経営状況を改善する中心的な立場だと想定していましたが、実際は「ビジネスドクター」としてサポートする立場だと理解しました。
・変革を起こす企業のために、自分が持つ武器でどのように補助できるかを考える仕事に対して、これまで以上にリスペクトが生まれました。
・「ビジネスドクター」として顧客企業を支えるためには、経営コンサルタントが主軸となって経営をするのではなく、顧客の経営にかかわる判断を与えていくことで、その企業が発展し続けられるようにすることが重要だとわかった。
・講演を通して、どのようなスキルが必要なのか、また具体的にどのように業務をしなければならないのかなど、よりコンサルティングの仕事をイメージしやすくなりました。コンサルティングのやりがいなども直接「現場の声」として伺えたことで、この業界で自分が働いたときの働きがいもイメージすることができました。
■コンサルタントからひとこと 多くの学生が受講してくれて嬉しかったです。壇上からは学生の顔がよく見え、真剣にメモを取ったり、写真を撮ったりしている学生の姿が印象的でした。質疑応答では「会社見学に行きたい」といった意見も頂き、学生の皆さんの高い関心を感じました。今回の講義が経営コンサルティングの仕事への理解を深める一助になれば幸いです。(堀部諒太・吉田満里奈)
今野教授のホームページ https://www.hgu.jp/faculty/members/business-administration/profile-konnoyoshifumi.html
https://ba.hgu.jp/teaching-staff/list/profile-yoshifumikonno.html