その他 2022.08.08

vol.4 アフターコロナで勝ち残るための開発戦略

 

デジタル前提の開発戦略が必須

 

Vol.4では、レジリエンスカンパニーに必須となる「開発戦略」について解説していきます。

 

ウィズコロナ時代には新たな困り事・社会課題の解決に向けた開発戦略とともに、デジタルを前提とした開発が必要です。

 

デジタルが前提になれば、顧客接点の在り方も変わります。「いつでもつながれる」ことを生かした戦略、「つながること」=「顧客接点の設計」が重視されます。変化のスピードが激しい近年は、どこで顧客との接点をつくり、どんな情報を得るかが重要です。逆に言えば、顧客接点により得られた情報からUX(顧客体験)を最大化させるための継続的開発を行わなければ、顧客価値の変化についていけません。

 

コロナショックの環境下では新型コロナウイルスの感染を避けるため、リアルな活動が制限され、人々の生活はデジタル中心へと移行しました。「オンラインイベントの開催」「学校教育のウェブ化」「テレワーク(リモートワーク)の浸透」などはその例です。

 

こうした価値観の変化に対する開発の主要着眼点は、次の2点です。

1.デジタルシフトした顧客ニーズを捉え、自社製品・サービスの提供価値を再考する

2.デジタルツールなどを活用したスピード感のあるアジャイル型開発の実行

 

アジャイル型開発とは、仕様や設計の変更があるという前提に立ち、初めから厳密な仕様を決めず開発を始め、小さくトライアンドエラーを繰り返し徐々に開発を進めていく手法です。

 

価値観が変化したということは、「顧客が求めるものが変わった」ということです。世の中が求めるものと、自社にできることの接点が存在価値であり、存在価値を発揮するためには変化したニーズを捉え直すことが第一です。

 

価値観の変化は新しいニーズを生み出します。今後の開発活動においては、これまでの考え方を改め、コロナショックによって生じる顧客ニーズを新たに捉え直す必要があります。顕在ニーズと潜在ニーズを見極め、自社製品・サービスを開発して顧客ニーズを先取りすることが重要となります。

 

新しい社会の期待に応えるために重要なのが、「フルーガルイノベーション」です。フルーガルイノベーションとは、制約のある環境下において、従来のサービスや製品、製造工程を再設計することで、変化したニーズに合う製品やサービスを開発すること。つまり、自社にすでにある資源を活用して新たな価値を生み出す、“倹約的な”イノベーションです。企業の投資や開発への余力が乏しく、消費者ニーズの変化が激しい状況だからこそ、すでに社内にある資源に着目し、変化したニーズに応じて最適化していく考え方が必要となります。