Vol.1、2では、レジリエンス戦略を推進するための基本戦略を解説してきました。Vol.3からは、具体的な事業戦略を見ていきます。今回は、レジリエンス戦略を実現するための事業ポートフォリオについて見ていきます。
事業ポートフォリオのアップデートとは、ニューノーマルの社会の中、変化していく価値観(新たな常識)に合わせて古い事業や時代に合わない事業を見直し、最新の状態にすることです。
リスク分散のためにも、事業ポートフォリオの再設計は重要です。やみくもに新規事業の数だけを増やしたり、相乗効果(シナジー)のある事業だけを選択したりすることではなく、全体としての事業ポートフォリオの最適化が求められます。キーワードは次の3つです。
事業の多角化・分散化によるポートフォリオの再設計
レジリエンスな事業ポートフォリオ構築において、事業の多角化は大きく4つに展開できます。
「取引先が大手1社に依存している」「売上高構成比の大半を主力単品商品が占めている」企業が、コロナ禍によって軒並み売上高を落とし、回復に時間を要しています。これからの時代、リスクを分散する事業ポートフォリオの設計は必須です。今の事業・組織の延長線上で考えるのではなく、経営資源(ヒト・モノ・カネ)の再配分の断行、また、ミッションに基づいた事業ポートフォリオの設計が重要になります。