その他 2022.05.20

vol.1 レジリエンスカンパニーになるための基本戦略①


コロナショックは世界の人・モノの動きと経済活動を強く制限し、企業経営に大きなインパクトを与えました。影響が長期化する中、企業は「低成長×非連続×高速変化」という環境下で経営のかじ取りを求められています。

 

コロナショックが従来の経済危機と異なるのは、「しばらく耐えれば、来年には回復する」という見通しが通用しないことです。本連載では、「社会・顧客に対する本質的な価値」を問い直し、事業環境の変化に応じて自らをしなやかにアップデートして、新しい社会を提案していく「レジリエンス戦略」について解説していきます。

 

レジリエンスとは本来、「復元力・回復力・弾力」という意味を持つ言葉です。これを企業で考えると、「しなやかに、強い」企業ということになります。

 

ここでは、基本戦略となる「レジリエンス戦略」について、「事業環境の変化に応じて、自らを『しなやかに強く』変幻自在にアップデートして新しい社会を提案していく戦略」と定義します。

 

「低成長、非連続、高速変化」の環境においては、既存事業の改善やコスト削減の追求に努めても、企業が勝ち残れるとは限りません。理想は、経済危機で受けたダメージに対して復元・回復するというより、そもそも復元・回復が必要となる前に自ら変わり続ける会社をつくることです。

 

レジリエンスカンパニーに求められる7つの条件

 

「レジリエンスカンパニー」、つまり「事業環境の変化に応じて自らを『しなやか』にアップデートして新しい社会を提案する」企業に求められる7つの条件を見ていきます。

 

条件1.【ミッション】新しい社会に問い掛けるミッションの存在

社会の価値観が大きく変化する中、顧客から選ばれる企業であり続けるために、今まで以上に「社会における存在意義(=貢献価値)」の重要性が高まっています。貢献価値は単なる“慈善活動”ではなく、「事業戦略のコア」に進化してきています。

 

 

レジリエンスカンパニーは社会の変化・課題に対し、「自社にできること」を自発的に問い掛け、新たな価値を社会に提供しようという行動が生まれるのが特徴です。この行動を継続することが、ステークホルダーとの強い信頼関係やブランド作りにつながります。