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コラム 2017.11.30

特集1:建設×ソリューション

2017年12月号     2018年度の建設投資見通し、前年度比3.2%減と3年ぶりのマイナス予測   建設経済研究所と経済調査会(経済調査研究所)が10月30日にまとめた建設投資予測によると、2018年度の建設投資額(名目ベース)は前年度比3.2%減の51兆5500億円と、2015年度以来3年ぶりのマイナスになる見通しだ。(【図表】)   内訳は、「政府投資」が同7.8%減の20兆800億円、「民間住宅投資」が0.6%増の15兆5500億円、「民間非住宅建設投資」が0.5%減の15兆9200億円。ただ、政府投資については18年度予算の全体像が不明のため、一般会計にかかる政府建設投資を前年度当初予算の横ばいと仮定して推計している。なお、政府投資の内訳は、建築投資が8.5%減の2兆3600億円、土木投資が7.7%減の17兆7200億円となっている。   一方、民間住宅投資は貸家や分譲マンションの減少傾向に大きな変化は見込めないものの、2019年10月に予定されている消費増税10%の駆け込み需要により、持家と分譲戸建てで着工増が見込まれるため、住宅投資全体では微増を予測している。住宅着工戸数については、前年度横ばいの96.5万戸の見通し。「貸家」(1.9%減の40.5万戸)と「分譲(マンション・長屋建)」(8.1%減の10.8万戸)は引き続き減少するが、「持家」(4.0%増の30.2万戸)と「分譲(戸建)」(4.4%増の14.4万戸)は増加基調を維持する。   民間非住宅建設投資は「建築」(0.7%減の10兆5500億円)、「土木」(0.2%減の5兆3700億円)とほぼ前年並み。企業収益の改善や個人消費の緩やかな持ち直しを背景に、企業の設備投資は底堅く推移していくとみている。   なお、2017年度の建設投資については1.4%増の53兆2300億円となる見込み。2003年度以来14年ぶりに53兆円台を回復するとしている。内訳を見ると、政府投資が3.3%増の21兆7800億円、民間住宅投資が1.5%減の15兆4500億円、民間非住宅建設投資が1.9%増の16兆円だった。     201712_ms01_01       2017年12月号     研究開発で建設業の付加価値を高めるオープンイノベーションに期待大   全産業や製造業全体から見ると、建設業の研究開発費は極端に少ない。日本建設業連合会(日建連)の「建設業ハンドブック2017」によると、売上高研究費比率は製造業4.3%、全産業3.5%に対し、建設業はわずか0.4%にとどまる。   だが、他産業に比べると少ないものの、独自の研究所や設計・技術研究開発部門を有する大手ゼネコンは多く、中には年間約100億円の研究費を投じる企業もある。   一方、欧米の場合、建設分野の研究開発は主に大学や公共機関が実施し、企業はほとんど行っていない。このため、世界的に見ると日本の建設企業の研究開発意欲は際立って高く、日本の建設技術を世界トップレベルに押し上げる原動力になっている。   実際、日建連が実施したアンケート調査結果では、回答企業(52社)のうち83%(43社)が「社内で研究開発を実施している」と回答。研究開発を実施する企業(外部委託を含む)のうち、研究開発専門部署を有する企業は9割を占めた。   注力している研究開発テーマを見ると、「品質・生産性向上」(47%)が最も多く、「安心・安全」(26%)、「地球環境」(20%)、「快適・健康」(6%)などが続く(【図表1】)。品質・生産性向上の具体的内容は、「コンクリート」「施工管理(IT化施工等)」「ロボット・自動化施工」だった。   また、研究開発の手法として、オープンイノベーションに取り組む企業が増加している。同報告書によると、研究開発を実施する企業のうち、73%(32社)が「(オープンイノベーションを)意識して積極的に取り組んでいる」と回答。「意識してはいるがまだ取り組んでいない」企業を合わせると、ほとんどの企業が意識していた。(【図表2】)   この背景には、大学や異業種企業と連携して、自社にない専門的ノウハウ・知見を共有したり、研究開発のスピードアップにつなげたいという狙いがある。   ニーズを捉えた研究開発は重要な経営戦略の1つ。建設需要が一段落する東京五輪後を考えると、時流に合う研究開発を進め、自社の強みを磨くことが欠かせない。     201712_ms02_01