•  
PICK UP TOPICSのメインビジュアル
コラム
PICK UP TOPICS
企業経営や市場(マーケット)について、話題の最新テーマを取り上げるコラムです。
コラム 2016.12.22

特集1:チームスピリット

2017年1月号     中・高・大卒の3年以内離職率は「643」   不況時の新入社員は離職が増える傾向   入社後3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職することを、その語呂合わせから「753(七五三)現象」と呼ばれている。この言葉は、内閣府の「平成19年版青少年白書」から一般に知られるようになった。   そのため、最近の学生の傾向のように思われているが、実際には20年以上前(1995年3月卒の3年以内離職率:中卒70%、高卒47%、大卒32%)から見られる現象である。ただ、753現象は2003年3月卒までで、それ以降は「643」の割合で推移している。   厚生労働省が2016年10月にまとめた新卒者(2013年3月卒)の卒業後3年以内離職率を見ると、中卒が63.7%(前年比1.6ポイント減)、高卒が40.9%(同0.9ポイント増)、大卒が31.9%(0.4ポイント減)となった。いずれも、バブル景気の頃(1987~91年)の水準並みに低い数値である。   このうち大卒の内訳は、初年度離職率が12.8%(0.3ポイント減)、2年目が10.0%(0.3ポイント減)、3年目が9.1%(0.2ポイント増)となっている。初年度離職率はこのところ低下する流れにあるが、3年目は逆に増加傾向が見られる。   3年以内離職率(大卒)を事業所の従業員規模別に見ると、最も高いのは「5人未満」の59.0%、次いで「5~29人」(49.9%)、「30~99人」(38.6%)と続き、最も低いのは「1000人以上」(23.6%)だった。従業員規模が大きくなるほど、離職率は低下する傾向にある。   また産業別(「その他」を除く、大卒)では、3年以内離職率が最も高いのは「宿泊業、飲食サービス業」(50.5%)。次いで「生活関連サービス業、娯楽業」(47.9%)、「教育、学習支援業」(47.3%)などと続き、サービス業が上位を占めた。   一方、大卒者について就職率と3年以内離職率の推移を比較すると、就職率が低いときに入社した新卒者は、3年以内に離職する割合が高まる傾向があった(【図表1】)。就職難により“不本意な就職”をした新卒者が多いことに加え、景気低迷時は企業側の従業員に対する扱いが雑になる(育成投資の縮小、希望退職者の募集など)ためとみられる。     201701_stats-01 【図表1】新規学卒者(大学)就職率と3 年以内離職率       201701_slide_t2 2017年1月号     「“いわゆる正社員”は今後も主流」の回答が約8割   「2018年問題」まで1年、限定正社員への対応が課題   民間企業で働く労働者のうち、フルタイム・無期雇用・直接雇用で働く人を「正社員」と呼ぶが、実は日本と韓国のみに存在する区分だ(欧米には正社員の概念がない)。正社員の定義を定めた法律はなく、パート・アルバイトや派遣社員などの「有期雇用労働者(非正社員)」以外を指す労務管理上の呼称である。   その正社員は、大きく分けて2つある。「多様な正社員」と「いわゆる正社員」だ。多様な正社員とは、安倍政権がワーク・ライフ・バランスの推進に向け成長戦略で打ち出した雇用形態で、職務・勤務地・勤務時間などを限定した正社員(限定正社員)をいう。   一方、いわゆる正社員は異動や転勤、残業など職務・勤務地・勤務時間が限定されない従来型の正社員(無限定正社員)だ。“いわゆる”とは、厚生労働省が限定正社員と分けるために付けたものである。   このほど日本生産性本部が上場企業133社の人事労務担当者に行った調査結果によると、「いわゆる正社員は今後も主流」と答えた企業が約8割(82.0%)を占めた(【図表2】)。利点としては(3つまで回答)、「人材の柔軟な異動・配置が可能」や「長期的視点に立った人材の育成ができる」などが多い。半面、限定正社員制度の導入率は「勤務地限定制度」が30.1%、「短時間正社員制度」も16.5%にとどまった。   2012年に成立した改正労働契約法で「無期転換ルール」が導入され、企業は有期労働契約(パート・アルバイト、契約社員、嘱託社員など)が反復更新されて通算5年を超えたとき、労働者から申し出があれば無期労働契約に転換しなければならなくなった※。2013年4月以降に契約した有期雇用労働者に適用されるため、5年後の18年4月から無期転換が本格的に始まる。定年まで継続雇用する労働者が大量に増加する「2018年問題」まで1年余りに迫る中、その受け皿として限定正社員の活用が想定されている。   ※ 定年後に継続雇用される有期雇用労働者(嘱託社員など)については、都道府県労働局長の認定を受けることで無期転換申込権が発生しない特例がある   日本生産性本部の調査結果では、勤務地限定制度を導入する企業の7割強(73.3%)が、「非正社員を勤務地限定正社員に登用する仕組みがある」と答えた。同本部は、「勤務地限定制度が非正社員の正社員登用の効果的な制度になり得る」と指摘している。     【図表2】「いわゆる正社員」は今後も主流の働き方だと思うか(上場企業133 社) 【図表2】「いわゆる正社員」は今後も主流の働き方だと思うか(上場企業133社)