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コラム 2016.09.30

特集1:観光・ツーリズム

10_t1_top 2016年10月号 日本人の1人1回当たり国内旅行単価は増加 訪日外国人の1人当たり旅行支出は減少(2016年4-6月期) 観光庁はこのほど、2016年4‐6月期の日本人国内旅行と訪日外国人旅行の消費動向(速報)をまとめた。日本人の国内旅行消費額は前年同期比8.7%増の5兆4610億円、訪日外国人の旅行消費額は同7.2%増の9533億円となり、それぞれ堅調に推移した。(【図表1】) 【図表1】日本人国内旅行、訪日外国人旅行の消費額推移(▲は減) 【図表1】日本人国内旅行、訪日外国人旅行の消費額推移(▲は減) 日本人の国内旅行消費額の内訳は、「宿泊旅行」が9.0%増の4兆503億円、「日帰り旅行」も7.9%増の1兆4107億円とともに増加した。これは2016年のゴールデンウイークが最大で10連休となる日並びであったことから、国内旅行に行く人が増えたためとみられる。 同期における日本人1人1回当たりの国内旅行単価は、0.6%増の3万2686円だった。ただ、宿泊旅行の単価は増加(1.3%増の5万452円)に転じたものの、日帰り旅行の単価が2期連続で減少(0.5%減の1万6253円)した。 日本人の国内延べ旅行者数は8.0%増の1億6708万人となり、熊本地震の発生に伴う国内旅行需要への影響はみられなかった。内訳は、宿泊旅行が7.6%増の8028万人、日帰り旅行は8.4%増の8680万人だった。 また、同期での訪日外国人旅行者数は19.0%増の596万人。ただ1人当たりの旅行支出額は9.9%減の15万9930円となり、2期連続で減少した。1人当たり旅行支出を国・地域別に見ると、「ベトナム」(13.7%増の23万8375円)と「豪州」(4.5%減の23万3902円)が高い。 一方、「中国」(22.9%減の21万9996円)のマイナスが目立つ。中国人旅行客の支出減少は、為替レートの円高基調に加え、中国政府が打ち出した海外購入商品の関税引き上げが影響しているとみられる。また、モノの爆買いから飲食・サービスの体験へと消費対象がシフトしつつあることも考えられる。 とはいえ、訪日外国人旅行消費額に占める中国の存在感は依然大きい。2016年4-6月期の訪日外国人旅行消費額全体のうち、中国は3530億円と37%を占めトップ。次いで台湾(1427億円)、韓国(695億円)、米国(669億円)、香港(637億円)などが続く。東アジアだけで全体の66%を占めた。 旅行消費額を費目別に見ると、「買い物代」(6.6%減の3603億円)の構成比が37.8%と前年同期から5.6ポイント低下し、「宿泊料金」(19.6%増の2648億円)と「飲食費」(16.9%増の1912億円)、「交通費」(16.5%増の1079億円)の構成比がそれぞれ約1~3ポイント拡大した。

10_t1_top 2016年10月号 訪日外客数が2016年7月累計で1400万人超え 2014年(年間値)を上回る 国際的な政情不安や円高の進展、熊本地震の発生による下押しが懸念されたインバウンド(訪日外国人旅行)だが、現在(2016年8月時点)のところ大きな影響は出ていない。 日本政府観光局(JNTO)が発表した2016年上半期(1~6月)の訪日外客数累計(推計値)は、前年同期比28.2%増の1171万3800人と半期ベースで過去最高となり、初めて半年で1000万人の大台を超えた。 また年間を通じて最も訪日外客数が多い7月は、前年同月比19.7%増の229万6500人と、単月の最高記録だった2016年4月(208万1697人)を上回り過去最高となった。1~7月累計値は約1401万人(前年同期比26.7%増)に達し(【図表2】)、2014年の年間値(約1341万人)を上回った。このペースが続けば、11月には2000万人を突破する勢いだ。 【図表2】訪日外客数の推移 【図表2】訪日外客数の推移 1~7月累計値を国・地域別に見ると、最も多かったのは「中国」(前年同期比38.2%増の380万7900人)。中国は4月から3カ月連続で50万人超と好調が続いていたが、7月にクルーズ船の寄港数の大幅増による押し上げ効果があり、単月で初めて70万人を超えた。 次いで「韓国」(同30.8%増の282万9900人)、「台湾」(18.5%増の255万2800人)、「香港」(23.8%増の105万2800人)などが続く。韓国は熊本地震の影響が最も懸念された市場だが、外国旅行需要が好調なことに加え、熊本地震で運休していた仁川-福岡線の再開や新規路線の就航、訪日プロモーションの実施などから堅調に推移した。 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算によると、2016年の訪日外客数は2428万人(前年比23.0%増)、17年には2594万人(同6.8%増)と3000万人に迫る見通しだ。ただ、直近の訪日外客数の前年同月比の推移を見ると、伸び幅が鈍化している。世界経済の減速や円高の進展が背景とみられるが、現状のペースで推移すると政府目標である2020年の4000万人達成は厳しくなる。