その他 2016.07.29

就活生は「自分の仕事内容」に関心あり 2016年度「新入社員就活アンケート」

タナベ経営はこのほど、2016年春に開催した「新入社員教育実践セミナー」へ参加した新入社員1704人に実施した「新入社員就活アンケート」の結果をまとめた。それによると、就職活動における会社説明会では、事業内容よりも「仕事内容」に関心が強いことが分かった。

 

【図表】2016年新卒者「会社説明会で知りたかったこと」(複数回答)

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「会社説明会で知りたかったことは何か」を聞いたところ(複数回答)、最も回答が多かったのは「仕事内容」(61%)だった。次いで「社風・雰囲気」(44.5%)、「現場社員の話」(22.8%)の順となり、「給料」(19.2%)や「事業内容」(18.4%)などを上回った。就活生たちは入社後、自分が体験するであろう職場環境を具体的にイメージできる情報を強く求めているようだ。(【図表】)

 

一方、「求める人材像」(11.7%)や「経営理念・ビジョン」(8.4%)へのニーズの低さが目立つ。ただ、これらは会社のホームページや採用サイトに掲載されていることが多く、事前に研究済みの就活生がほとんど。無関心というわけでなく、会社説明会であらためて説明を受ける必要性を感じていないということなのだろう。

 

さらに、「入社した会社を選んだ理由」について尋ねたところ(複数回答)、「仕事内容が具体的にイメージできた」(25.3%)がトップ。「休日をしっかり取れる・残業が少ない」(18.3%)や「給料が高い」(6.2%)を上回った。

 

会社説明会といえば、経営トップのビジョンや求める人材像といったメッセージに始まり、事業内容や福利厚生の説明、若手社員の体験談、質疑応答という流れが一般的だ。自社の事業がどのように社会に貢献しているか、いかに理念に共感してもらうかに力点を置きがちだが、就活生は「入社したら、自分はどんな仕事に就くのか」を知りたがっている。

 

とはいえ、就活生たちは仕事の実務経験がほとんどないため、職種や業務内容を詳しく説明されてもピンとこない人が多い。大手企業の多くが採用を手仕舞いする夏以降に採用活動を本格化させる中小企業は、会社説明会で自社のイメージアップだけでなく、入社後の具体的な仕事内容について分かりやすく説明する工夫が必要だろう。