その他 2016.05.31

特集1:ストックマーケット

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2016年6月号

 

 

2015年度の住宅リフォーム平均契約金額が大幅に減少

 

2014年9月~15年8月の1年間(以降、2015年度)に施工を完了した住宅リフォーム工事の契約金額が、前年同期に比べ大きく減少したことが分かった。

 

住宅リフォーム推進協議会が2016年3月にまとめた『住宅リフォーム実例調査』によると、2015年度のリフォーム工事の平均契約金額は626.2万円で、前年同期(756.7万円)から130.5万円減少(17.2%減)したという。中心価格帯は369万円(前年同期は500万円)だった。(【図表1】)

 

契約金額の分布をみると、500万円超の中・高額リフォームの割合が36.9%と前年同期に比べ11.8ポイント減少した一方、300万円以下の割合が41.9%と8.3ポイント増加した。(【図表2】)

 

平均契約金額の大幅な減少と低額案件の増加は、消費税8%引き上げに伴う駆け込み需要の反動が要因。前年同期は旧税率適用の経過措置期限(2013年9月末)と重なったため、高額の大型契約物件が多かった。一方、2015年度は消費税増税の影響により高額案件が減ったことで、低額案件の割合が高まった。

 

リフォームを実施した住宅の取得方法について、一戸建てでは「注文住宅」(58.8%)が最多。前年同期からの伸び幅はほぼ横ばい(0.3ポイント増)だった。一方、「親からの相続」(17.8%)が前年同期から5.3ポイント増加し、2番目に高い割合(前年同期は3番目)となった。「新規分譲住宅」(10.7%)は2.6ポイント減少した。2015年1月1日以降の贈与税減税に伴い、住宅の生前贈与が増加したことが背景にあるとみられる。

 

このほか、リフォーム工事の内容では、一戸建て・マンションともに「住宅設備の変更」が減少した。一戸建て(60.2%)は8.0ポイント減、マンション(79.4%)は10.8ポイント減と、減少幅が大きい。

 

一戸建てでは「段差解消、手すりの設置」(7.0ポイント増の40.0%)と「窓ガラス・窓サッシ等の改良」(6.5ポイント増の42.8%)の施工割合が増えた。省エネ住宅ポイント制度の影響とみられる。

 

全体的に、前年同期に比べ割合が減少する項目が多かったことから、同協議会では「予算などの理由により、内容を絞ってリフォーム工事を実施する傾向があった」と指摘している。

 

 

【図表1】リフォーム契約金額(平均値)の推移

 

 

【図表2】リフォーム契約金額(分布)の推移