特集1:顧客ダイレクト
2016年5月号
2015年のネットショッピング利用世帯の割合が5.2倍(02年比)に
このほど総務省統計局が発表した調査結果によると、2015年にインターネットショッピングを利用した世帯(1人暮らしを除く)がおよそ4世帯に1世帯の割合に上り、02年の調査開始以来、最高となったことが分かった。
同局は2015年分の『家計消費状況調査』と、5年ごとに実施している『全国消費実態調査』(2014年)のそれぞれの結果から、ネットショッピング(以降、ネット通販)の支出実態を調べた。それによると、2人以上の世帯でネット通販を利用した割合は、家計消費状況調査が始まった02年は5.3%にすぎなかったが、15年で5.2倍の27.6%に急増したという。(【図表1】)
2015年のネット通販年間支出総額をみると、1世帯当たり平均(利用しなかった世帯を含む)で10万3716円だった。世帯主の年代層別では「50代」(15万5916円)が最も高く、次いで「40代」(14万6064円)、「39歳以下」(14万1833円)などの順。なお、高齢者層は「60代」が8万8392円、「70歳以上」も4万3404円と少なかった。
この支出額の違いは、ネット通販の利用割合の違いが要因とみられる。世帯主の年代別にネット通販を利用した割合をみると、39歳以下(45.2%)が最も高く、40代(42.2%)、50代(38.2%)、60代(22.1%)と年代が上がるにつれ低下。70歳以上は11.1%にとどまっている。
一方、実際にネット通販を利用した世帯に限定して平均支出総額を計算すると、60代は39万9336円、70歳以上でも38万7804円となり、最も多い50代(40万7988円)とほぼ同水準だった。
ネット通販の1世帯当たり年間支出額(2015年)の内訳をみると、宿泊料や運賃・パック旅行費などの「旅行関係費」(21.8%)が最も高く、次いで「食料」(14.3%)、「衣類・履物」(10.7%)などが多い(【図表2】)。月別の推移では、旅行関係費は夏休みの8月、食料は年末の12月に支出が最も多い傾向がみられたという。