近年、海外各国で個人情報の保護が強化されており、日本でも2022年4月に「個人情報保護法」が改正された。また、AppleやGoogleなどの大手プラットフォーマーによるサードパーティーCookie※1規制強化の流れも相まって、デジタルマーケティングを巡る状況は大きく変化している。企業には、顧客のプライバシーを保護しながらデータを活用し、CX(顧客体験価値)を高めることが求められる。
※1 アクセスしたウェブサイトと異なるドメイン(第三者)が発行したCookieのこと(同一ドメインから発行されたCookieは「ファーストパーティーCookie」)。自社と他社のサイトを横断したユーザーの行動履歴が必要となる広告や効果測定などに欠かせないデータ
※2 個人情報保護委員会「中小規模事業者の安全管理措置に関する実態調査分析結果」(2022年6月)
「仮名加工情報」新設で企業のデータ活用を促進 一方、個人情報保護を強化しつつも、DX(デジタルトランスフォーメーション)が重要になった社会の現状を踏まえ、企業のデータ活用促進を目的に新しくつくられたのが、上記のポイント④「仮名加工情報」である。 仮名加工情報とは、個人情報の一部を削除して個人を特定できないようにした情報で、他の情報と照合しなければ個人を識別できないものだ。第三者への提供と、本人を識別する目的での照合は禁止されているものの、個人情報を仮名加工情報にすることで、マーケティング分析やサービス開発などに活用できる。
出所:個人情報保護委員会「民間事業者向け 個人情報保護法 ハンドブック(令和4年4月)」
また、今回の法改正では、Cookieなどの識別子が「個人関連情報」と定義されたため、一定の条件で本人の同意が必要になるなど、取り扱い方に変化が生じている。リスクマネジメントという「守り」も重要だが、デジタルマーケティングで自社の競争優位性を高めるという「攻め」の観点においても、企業は対策が急務と言えよう。 ▼参考資料個人情報保護委員会ホームページ