企業における女性活躍推進のための行動計画の策定、社内周知、外部公表を義務付けている女性活躍推進法。2022年4月1日施行の「改正女性活躍推進法」では、義務付けの対象が、常時雇用労働者が101人以上300人以下の中堅・中小企業に拡大されました。法改正ポイントについて解説します。
■女性活躍推進法とは?
2016年4月に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」、いわゆる「女性活躍推進法」。名称通り、女性の活躍を推進するべく国や自治体、雇用する企業の努力を促す法律です。
2019年6月の改正により、それまで努力義務だった「常時雇用する労働者が101人以上300人以下」の事業主にも、「一般事業主行動計画の策定・届出義務および自社の女性活躍に関する情報公表」が義務付けられることとなりました(2022年4月1日から施行)。
なお、「常時雇用する労働者」は正社員だけではありません。パート・アルバイト、契約社員など雇用形態にかかわらず、「雇用期間の定めがない者」「雇用期間の定めがあり、1年を超えて雇用されている者(雇用が見込まれる者を含む)」のうち、いずれかに該当する従業員を指しています。
■義務づけられている取り組み
女性活躍推進法では、次のような取り組みが義務づけられています。
出所:厚生労働省ホームページ「女性活躍推進法が改正されました」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/navi/lawinfo.html
自社の女性活躍に関する状況を、「採用した労働者に占める女性労働者の割合(区)」「管理職に占める女性労働者の割合」「労働者の各月ごとの平均残業時間数等の労働時間の状況」といった基礎項目(必ず把握すべき項目)を用いて把握し、自社の課題を分析します。
計画期間、1つ以上の数値目標、取り組み内容、取り組みの実施時期を盛り込んだ一般事業主行動計画を策定の上、労働者への周知、外部への公表を実施します。
一般事業主行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届け出ます。
定期的に、数値目標の達成状況や、一般事業主行動計画に基づく取り組みの実施状況を点検・評価していきます。
■まとめ
改正女性活躍推進法は、対象企業が拡大されていますが、その義務を怠ったことによる罰則はありません。しかしながら、自社の優良な就業環境を発信し、優秀な人材を獲得するためにも欠かせません。女性従業員が安心して活躍できる環境づくりを目指していきましょう。
参照先
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/navi/lawinfo.html
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000596891.pdf?msclkid=93845dd6b3e011ec9a07bf6765a4c818