特集1:ものづくりの復権
2016年1月号 中国経済鈍化に、企業の4社に1社が「業績に悪影響」 2015年の「チャイナリスク倒産」、前年同期比1.5倍で推移 中国経済の減速が鮮明になってきた。OECD(経済協力開発機構)が2015年11月にまとめた世界経済の見通しによると、中国の実質GDP(国内総生産)成長率は2015年に6.8%へ減速し、2017年には6.2%まで低下するという。 これに伴い、日本企業の間で「チャイナリスク」への懸念が強まっている。帝国データバンクの調査結果(有効回答企業数1万752社、2015年10月)によると、企業の4社に1社(25.4%)が中国の成長鈍化により「自 社の業績が悪影響を受ける」と見込んでいる。業界別にみると「製造」(33.8%)が最多で、「運輸・倉庫」(30.7%)、「卸売」(30.0%)などが続く。(【図表1】参照) このチャイナリスクは、既に顕在化しつつある。同社の調べによると、チャイナリスクを要因とした企業倒産件数は2015年1~9月累計で59件。2014年の年間件数(52件)を上回り、前年同期(2014年1~9月の39件)に比べ1.5倍のペースで推移しているという。 2014年1月~15年9月累計のチャイナリスク倒産件数(111件)を要因別にみると、現地従業員の賃金上昇や為替変動による「コスト増」が59件と過半数を占め最多だった。次いで「中国取引先の業績悪化」(19件)、「品質問題」(15件)などが続く。「中国国内への販売減少」による倒産は8件にすぎなかったが、今後は中国経済の減速に伴い増加していくとみられている。 累計倒産件数を業種別にみると、最も多いのは「卸売業」(65件)で全体の過半数(58.6%)を占めた。うち35件は繊維関連の卸売業だった。「製造業」は31件と2番目に多いが、卸売業の半数以下にとどまっている。 とはいえ、同社によると中国進出企業1万3256社のうち、製造業は5693社と半数近く(42.9%)を占める。価格競争力の強化を狙い中国へ生産拠点を移転した中小メーカーや、中国企業に製造委託しているファブレス、中国向けに販売している卸売業などを中心に、チャイナリスク倒産が今後増加する恐れがある。 
電子看板市場規模、2020年に2717億円(2014年比2.6倍) 東京オリンピック、インバウンド需要で活況 富士キメラ総研の調査結果によると、現在、デジタルサイネージ(電子看板)の需要が高まっており、国内市場規模が2020年に2.6倍(2014年比)まで拡大するという。(【図表2】参照) デジタルサイネージは、主に広告・販促・インフォメーションなどの用途で使われる、屋外や店頭に設置された映像表示装置。従来は交通広告や大型商業施設などで採用されることが多かったが、近年はシステムの低価格化が進み、小規模な小売チェーンや個人経営店にも設置されるケースが増加している。これに伴い媒体価値も高まっており、広告代理店やコンテンツ制作事業者による新規参入も増えている。 同社によると、2014年の国内市場規模は前年比16.5%増の1054億円。2020年には、2717億円まで拡大する見通しだ。2020年時点の市場規模の内訳は、「システム販売/構築」が823億円(2014年比51.3%増)、「コンテンツ制作/配信サービス」が394億円(同2.1倍)、「デジタルサイネージ広告」が1500億円(4.7倍)となっている。 この市場拡大を後押しするとみられているのが、2020年に開催される東京オリンピック。競技場や交通機関、官公庁の案内板などインバウンド(外国人旅行者)対応の大規模な需要が見込まれるほか、商業施設や特設会場でのパブリックビューイング導入に伴う大型スクリーン需要の増加も期待されるという。 特に交通機関では、都市部や地方都市の主要駅構内で既存の看板やポスターからの移行が進んでいるほか、鉄道車両も広告用モニターとして設置するケースが増えている。今後は東京オリンピックに向け主要ターミナル駅や空港、高速道路サービスエリア、バス・タクシー車両などで導入の動きが広がると予想される。 また、販促用途を中心とした小売店・外食店での導入増や、医療機関・金融機関・大学での更新需要が見込まれるほか、一般企業でもショールームなどの潜在需要が大きいとみられている。例えば、商店街や繁華街の建物壁面に設置して広告を流す、または官公庁・自治体の行政情報や防犯・防災、マナー啓発などインフォメーション需要、災害時に避難指示やニュース放映を行う公共表示システムとして注目が集まっている。 同社は大型モニターとデジタルテレビの大幅な需要増加を見込んでおり、2020年の市場規模をそれぞれ181億円(2014年比66.1%増)、83億円(同62.7%増)に拡大すると予想。またテレビのHDMI端子に接続し、デジタルサイネージのコンテンツを配信できるスティック型STB(セットトップボックス)も、2014年の0.5億円から2020年には4億円と8倍に増加すると予測している。 