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コラム 2026.01.16

約7割の企業が「DX推進・デジタル活用」を実施。「AI活用」は昨年比12.5%増 「2025年度 デジタル経営に関するアンケート調査」リポート

タナベコンサルティングは2025年12月、「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」の調査結果を発表した。本稿では調査結果の一部を抜粋して紹介する。



過去最高、約7割の企業がDX推進・デジタル活用

年別 自社のDXの推進状況
企業規模別 自社のDXの推進状況

DXの推進(全社的に高度に推進・一部の部門で高度に推進)や、デジタル活用(複数の業務で活用・一部の業務で活用)に取り組んでいる企業は全体の約7割となり、過去最高を更新した。企業規模別では「全社的に高度に推進」が大企業20.5%、中堅企業9.1%、中小企業5.5%で、規模が大きいほど進展が見られる。

 

一方、中小企業では「全体的に不十分」が30.3%と高く、推進度合いに企業規模の差がある現状がうかがえる。



DX戦略は「場当たり的に進めている」が最多、中小企業で顕著

年別 DX戦略の策定・実行状況
c1c 企業規模別 DX戦略の策定・実行状況

全体では「デジタル施策は場当たり的に進めている」(30.6%)が最多で、「DX戦略はあるが推進度に課題がある」(28.1%)が続いた。同項目は2023年19.0%から2025年28.1%へ上昇しており、実行段階へ移行した企業が増えている。

 

一方、「ビジョンと紐づいたDX戦略を推進している」は約1割にとどまる。企業規模別では「場当たり的に進めている」が中小企業で相対的に高く、「ビジョンと紐づいたDX戦略」は大企業で高い傾向にある。戦略の明確化と一貫した推進に至っていない企業が一定数存在している。



DX推進体制は企業規模で差、大企業は専任部門の整備が進展

自社のDXの推進体制
企業規模別 自社のDXの推進体制

推進体制では「明確な体制はない」(31.3%)が最多だった一方、「DX推進部門を保有(専任あり・兼任中心)」の合計は34.7%に達し、体制整備が進む企業も一定数ある。

 

企業規模別では大企業で「DX推進部門を保有(専任あり)」が45.5%と半数近くを占め、専任体制の整備が進んでいる。中小企業では「明確な体制はない」(46.9%)が最も高く、整備の遅れが目立つ。



AI活用は「全社的な活用」が倍増、個人レベルの利用が最多

年別 AI(生成AIを含む)技術の活用状況
企業規模別 AI(生成AIを含む)技術の活用状況

AI活用では「ガイドラインはなく、個人レベルでの利用に留まっている」(31.4%)が最多で、「活用したいが、まだ着手できていない」(16.3%)も一定数存在する。一方、「活用予定はない」は3.5%と少数である。

 

年次比較では、「全社的に活用」が2024年12.2%から2025年24.7%へ倍増。企業規模別では大企業・中堅企業ともに「全社的に活用」が約4割に達する一方、中小企業では「個人レベルの利用」(42.8%)が突出しており、活用段階の格差が明確である。



新規事業・サービス開発へのデジタル活用は約8割が未実践

新規事業やサービス開発におけるデジタル技術の活用状況
企業規模別 新規事業やサービス開発におけるデジタル技術の活用状況

新規事業・サービス開発へのデジタル活用は「検討段階にある」(35.4%)が最多で、「特に予定はない」(35.1%)がほぼ同水準で続いた。「既に活用している」は17.0%にとどまり、実装済みは2割弱である。

 

企業規模別では大企業で「既に活用している」(31.8%)が相対的に高く、中堅企業は「検討段階にある」(38.4%)が最多。中小企業では「特に予定はない」(47.6%)が約半数を占め、取り組みの限定性が際立つ。



人材データ活用は「データ基盤が整っていない」が最多

人材データを活用した人事・組織マネジメントの取り組み状況
企業規模別 人材データを活用した人事・組織マネジメントの取り組み状況

人事・組織マネジメントにおける人材データ活用は「データ基盤が整っていない」(25.7%)が最多で、「一部活用しているが、十分とは言えない」(24.0%)が続いた。「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」は6.3%にとどまる。

 

企業規模別では大企業で「人材データをもとに施策立案・配置・育成等を実施している」(15.9%)が相対的に高く、中堅企業は「一部活用しているが、十分とは言えない」(35.4%)が最多。中小企業では「データ基盤が整っていない」(37.2%)が突出し、環境整備が大きな課題となっている。



経営判断へのデータ活用は「活用しきれていない」が増加

年別 経営判断におけるデータの利活用状況
企業規模別 経営判断におけるデータの利活用状況

年次比較では「データは蓄積されているが活用しきれていない」が2024年21.2%から2025年35.1%へ上昇し、整備は進む一方で意思決定に反映できていない企業が増加している。中堅企業では「意思決定に活用している」(16.2%)がやや高く、比較的積極的な活用姿勢が見られる。

 

中小企業では「必要なデータが収集・整備されていない」(38.6%)が最多で、基盤整備の遅れが課題である。重要性の認識は広がるなか、実際の活用への橋渡しが求められる。



オペレーション領域はAI・IoT・ロボティクスによる効率化が中心

オペレーション(業務)領域において取り組むべきテーマ(複数回答)
企業規模別 オペレーション(業務)領域において取り組むべきテーマ(複数回答)

オペレーションでは「AI活用による契約書作成・レビュー業務の効率化」(42.7%)が最多で、「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」(40.6%)が続いた。「ロボット導入による省力化・省人化」(35.1%)も一定割合を占め、自動化・効率化への関心が高い。

 

企業規模別では大企業で「IoTによるデータ収集プロセスの無人化」(59.1%)が突出して高く、現場データの自動取得・可視化による業務効率や判断精度の向上が図られている。



営業・マーケティングのデジタルツール導入は半数近くが進まず

営業・マーケティング領域におけるデジタルツールの導入・活用状況
企業規模別 営業・マーケティング領域におけるデジタルツールの導入・活用状況

営業・マーケティング領域では「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」(28.1%)が最多となった。「導入を検討している」(14.6%)と「特に導入予定はない」(32.6%)を合わせると、導入が進んでいない企業が半数近くにのぼる。「複数のツールを導入し、効果的に活用している」は4.2%にとどまる。

 

企業規模別では、大企業で「一部のツールを導入しているが、活用度には課題がある」(45.5%)が最も高く、運用段階での課題が示唆される。中小企業では「特に導入予定はない」(46.2%)が最多で、導入自体に至っていない企業が多い。


【調査概要】

調査対象: 全国の企業経営者、役員、経営幹部、部門責任者、デジタル担当者など
調査方法: インターネットによる回答
調査期間: 2025年9月16日~2025年10月10日
調査エリア: 全国
有効回答数: 計288件(従業員規模が2000人超を大企業、300人超~2000人以下を中堅企業、300人以下を中小企業として分類)

※各図表の構成比(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても100%にならない場合がある。

より詳細な調査結果と、タナベコンサルティングの提言を掲載した 「2025年度 デジタル経営に関するアンケート」の全体版はこちらからダウンロードできます(無料)


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