地域経済を支える中核的な存在として重要な役割を果たす中堅・中小企業。その成長を後押しするため、政府は次々と新たな投資や政策を打ち出している。
特に「中堅企業元年」と位置づけられた2024年以降、政府は「中堅企業成長ビジョン」に基づき、成長を支援するための重点施策をまとめた 「中堅企業成長促進パッケージ」を策定した。2025年版では、13府省庁が連携し、全155件、総額1.4兆円を超える支援策が用意された。
本稿では、この「中堅企業成長促進パッケージ」の具体的な内容をわかりやすく解説する。経営者の皆さまは、自社の成長に役立つ補助金や支援策がないか、ぜひチェックしていただきたい。
目次
1.資金調達・設備投資
2.人材確保
3.M&A、専門家活用
4.イノベーション
5.海外展開
6.GX・DX
7.中堅企業成長促進パッケージを活用し、次のステージへ
1.資金調達・設備投資
地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)
地域経済循環創造事業交付金(ローカル10,000プロジェクト)とは、地域の資源や資金を活用し、行政、学術機関、金融機関、労働団体、地域住民などの連携を通じて、地域密着型の事業創業や第二創業、新規事業の立ち上げを支援するものである。
具体的には、地域金融機関からの融資を活用して、新たなビジネスを立ち上げる民間事業者に対し、初期投資費用を支援する仕組みなどが該当する。例えば、施設整備費や機械装置費、備品費などの初期費用が対象となり、交付金を活用することで事業のスタートをスムーズに進めることが可能となる。
また、この交付金は国の重要施策とも連動しており、以下の分野に特に重点的な支援が行われている。
・デジタル技術の活用:地域のデジタル化を推進する事業
・脱炭素:環境負荷を軽減する持続可能な事業
・女性・若者の活躍:多様な人材が活躍するための事業
支援対象となる事業は、以下の3つの条件を満たす必要がある。
1.地域資源を活かした持続可能な事業
2.地域課題への対応を目的とした事業
3.新規性やモデル性がある事業
交付金の上限額は原則として2500万円だが、地域金融機関からの融資額に応じて最大5000万円まで拡大される場合がある。ただし、交付金を受けるには公費(国費+地方費の合計額)以上の地域金融機関からの融資が必要となる点に注意が必要である。
この制度は、地域経済の活性化の要となる中堅企業にとって、成長の大きな後押しとなる可能性を秘めている。新規事業の立ち上げや既存事業の拡大を検討されている経営者の皆さまは、ぜひこの交付金の活用を検討してほしい。
ローカル10000プロジェクトの活用事例

大規模設備投資を後押しする
「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」
中堅企業のさらなる成長を支援するため、政府は工場の新設や大規模な設備投資を行う企業を対象とした補助金制度を設けている。この制度は、地域経済の活性化や雇用の質向上を目的としており、補助上限額は最大50億円、補助率は1/3以下となっている。
この補助金を活用するためには、以下の要件を満たす必要がある。
・10億円以上の投資を行うこと
・地域別最低賃金の伸び率を超える賃上げを実施すること
対象となる経費には、以下の項目が含まれる。
・建物:拠点の新設や増築
・機械装置:生産性向上を目的とした設備
・器具備品:事業運営に必要な備品
・ソフトウェア:業務効率化やデジタル化を支援するツール
これまでの採択実績を見ると、採択社数は194社で、採択倍率は約7倍と競争率が高い。なお、採択企業の95%以上が東京以外の地域で事業を実施している。
さらに、投資後3年間の平均賃上げ率は+15.8%(年間+5%)と、賃金の向上にも大きく寄与している。採択企業の平均投資額は50億円に達しており、地域経済へのインパクトも非常に大きいものとなっている。以降、採択企業の事例を見ていきたい。
西部技研(福岡県)
従業員数348名。工場用空調設備や除湿機の製造・販売を行う企業で、事業完了後3年間で約17%の賃上げを実現。
アイ・テック(静岡県)
従業員数597名。鋼材の加工、在庫管理、販売を手掛ける鋼材流通商社で、事業完了後3年間で約26%の賃上げを達成。
浦島観光ホテル(和歌山県)
従業員数227名。世界遺産熊野古道を擁するエリアでホテル・旅館を経営し、事業完了後3年間で約18%の賃上げを実現。
これらの企業は、地域に根差した事業を展開しながら、賃金の向上や雇用の質の改善にコミットしている。補助金を活用することで、地域経済への貢献と企業の成長を両立させている。
この補助金制度の予算額は、既採択分として3000億円、新規公募分としてさらに3000億円が計上されている。大規模な設備投資を検討されている中堅企業の皆様にとって、成長の大きな後押しとなる制度である。
地域未来投資促進税制
地域未来投資促進税制は、地域経済の発展に寄与する大型設備投資を対象に、特別償却50%または税額控除5%の優遇措置を提供する制度である。適用期限は2027年度末まで。
対象となる産業は、自治体が指定する以下の条件を満たすものに限られる。
1.地域経済への波及効果が一定以上であること
2.売上高や就業者数などの成長性が認められること
3.自治体が関連する産業ビジョンを策定していること
さらに、対象事業には「設備投資額10億円以上」「1億円以上の付加価値額創出」といった要件が求められる。
この税制を活用することで、税負担を軽減しつつ、地域経済への貢献と自社の成長を両立できる。まずは自治体の指定状況を確認し、設備投資計画に組み込むことを検討いただきたい。
「売上高100億円」を目指す中小企業の設備投資を支援する
「中小企業成長加速化補助金」
「中小企業成長加速化補助金」は、賃上げへの貢献、輸出による外需獲得、域内仕入による地域経済への波及効果が期待される「売上高100億円を越える中小企業」を目指す企業の設備投資を支援する制度である。
対象経費は建物費、機械装置費、ソフトウェア費、外注費、専門家経費などで、補助上限は5億円、補助率は1/2となる。
要件は以下の通りである。
1.投資額1億円以上(専門家経費・外注費を除く補助対象経費分)
2.「売上高100億円を目指す宣言」を行っていること
3.賃上げ要件などその他の条件を満たすこと
この制度を活用し、大胆な設備投資で成長を加速させたい企業にとって有益な支援策である。
中小企業成長加速化補助金の補助対象(例)

出所:中堅企業成長促進パッケージ2025 【2025年2月版】
2.人材確保
地方拠点強化税制で地方移転・拡充を後押し
地方拠点強化税制は、企業が東京23区から地方に拠点を移転する場合や、地方での拡充、または地方間での移転を行う場合に、オフィス減税や雇用促進税制の適用を受けられる制度である。対象となる事業者は、都道府県から地域再生法に基づく整備計画の認定を受ける必要がある。
対象施設は事務所、研究所、研修所、保育所、学童施設などである。具体的には、調査・企画、情報処理、研究開発、総務・人事などの業務に使用される施設が該当する。また、令和6年度税制改正により、本社機能と併せて整備される子育て支援施設もオフィス減税の対象に追加された。

措置内容は次の通りである。
・オフィス減税
建物取得価額に対して税額控除または特別償却が適用される。
税額控除:7%(移転型)、4%(拡充型)
特別償却:25%(移転型)、15%(拡充型)
・雇用促進税制
移転や拡充に伴い増加した正規雇用者に対して税額控除が適用される。
税額控除:1人あたり最大90万円(移転型、3年で最大170万円)、30万円(拡充型)
この税制は、新しい地方経済・生活環境創生交付金や中小機構による債務保証、日本政策金融公庫による融資などと併用することも可能である。
注意点として、工場や店舗は対象外だが、業種や企業規模に関わらず利用できる点が特徴である。地方移転や拡充を検討している企業にとって、税負担を軽減しつつ成長を図る絶好の機会となる。
「プロフェッショナル人材事業」で地域企業の成長を支援
「プロフェッショナル人材事業」は、地域企業の成長を後押しするため、45道府県が設置する「プロフェッショナル人材戦略拠点」を通じて、経営戦略の策定支援やデジタル化に対応した専門人材の活用を支援する取り組みである(新潟県は独自の類似事業を実施)。
事業概要としては、各拠点は、地域企業の経営者に対し、事業継続や成長に向けた業務効率化や競争力強化を促すとともに、必要なプロフェッショナル人材のニーズを明確化する。その情報を提携する人材紹介会社へ発信し、優良な雇用機会を創出する仕組みである。
また、専門人材の常勤雇用だけでなく、副業や兼業といった柔軟な雇用形態での人材マッチングも進めており、多様な働き方に対応している点が特徴である。
対象企業の要件は、実施主体である道府県ごとに異なるため、詳細は各自治体の窓口で確認する必要がある。
この事業は、地域企業が必要な人材を確保し、事業の成長や競争力強化を図るための重要な支援策である。副業・兼業を含む柔軟な人材活用を検討している企業にとって、活用価値の高い制度である。
先導的人材マッチング事業で地域企業の成長を支援
「先導的人材マッチング事業」は、地域金融機関が中心となり、地域企業の経営課題や人材ニーズを調査・分析し、職業紹介事業者などと連携してハイレベル人材のマッチングを行う取り組みを支援する事業である。
事業スキームとして、実施主体は地域金融機関などである。また、支援対象企業の要件は以下の通りである。
1.資本金10億円未満の法人であること
2.本店所在地が東京都以外の地域、または条件不利地域にあること
対象業務は経営幹部やデジタル人材など、ハイレベル人材のマッチング支援となる。交付額はマッチングした人材の年収に応じて以下の補助率で算出される(上限100万円)。
・常勤雇用(両手型):年収×16%
・常勤雇用(片手型):年収×10%
・常勤雇用以外:年収×8%+20万円
実施主体の交付上限額は5000万円(継続実施の場合、累計1億円まで)となる。
この事業は、地域企業やスタートアップ企業の経営幹部やデジタル人材などのハイレベル人材ニーズを発掘し、地域企業の成長や生産性向上を実現することを目指している。
地域金融機関が中心となるこの事業は、企業の経営課題に応じた適切な人材を確保するための有力な手段である。特に、経営幹部やデジタル分野の専門人材を必要とする企業にとって、成長を加速させる絶好の機会となる。
3.M&A、専門家活用
地域の中堅・中核企業支援プラットフォームで成長を後押し
地域の中堅・中核企業の成長を支援するため、経営規模の拡大や新事業展開に取り組む企業を対象にした支援プラットフォームが構築されている。このプラットフォームは、企業と支援機関をつなぎ、以下の3つの支援を提供する。
1.経営課題の把握
企業が抱える経営課題を明確化し、成長に向けた具体的な方向性を示す。
2.支援機関とのネットワーキングおよびマッチング支援
地域の金融機関や専門家、行政機関などの支援機関と企業をつなぎ、必要なリソースを提供する。
3.重点支援企業へのハンズオン支援
特に成長が期待される企業に対して、個別に寄り添った具体的な支援を実施する。
このプラットフォームは、地域の中堅企業が抱える課題を解決し、持続的な成長を実現するための重要な仕組みである。新事業展開や経営規模の拡大を目指す企業は、ぜひこの支援を活用し、地域経済の発展に貢献してほしい。

成長を目指す中堅企業のM&Aを後押しする新たな準備金制度
「中堅・中小グループ化税制」
成長意欲のある中堅・中小企業によるグループ化を支援するため、M&Aを活用した事業拡大を後押しする新たな準備金制度 が創設された。この制度では、中堅企業も対象に含め、複数回のM&Aを行う場合の積立率や据置期間が大幅に拡充されている。
制度のポイントは以下の2点である。
積立率の拡大:M&Aを複数回実施する場合、2回目の積立率を90%、3回目以降は100%に引き上げる。
据置期間の延長:準備金の据置期間を従来より大幅に延長し、最大10年とする新たな枠を設ける。
この制度は、積極的なM&Aを通じて事業規模の拡大やグループ化を目指す企業にとって、資金計画を安定化させる有力な支援策である。複数回のM&Aを検討している中堅企業は、この制度を活用し、成長戦略を加速させることを検討したい。
4.イノベーション
研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)で産学連携を促進
「研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP)」は、大学などが生み出す学術的な研究成果(技術シーズ)を掘り起こし、産学連携を通じて実用化を目指す取り組みである。このプログラムでは、技術リスクの顕在化と解消を支援し、企業による製品化に向けた開発を後押しする。
A-STEPは、研究の進捗段階に応じて以下の3つのフェーズで支援を行う。
1.育成フェーズ
目的:大学などの基礎研究成果を企業との共同研究につなげるため、技術シーズを磨き上げ、産学連携体制を構築する。
・課題提案者:大学などの研究者
・対象分野:医療分野を除き、幅広く募集
・研究開発期間:最長2.5年
・研究開発費:上限1,500万円/年(グラント型資金)
2.本格フェーズ
目的:大学などの基礎研究成果について、企業との共同研究で実用化に向けた可能性を検証し、中核技術の構築と技術移転を目指す。
・課題提案者:大学などの研究者と企業
・対象分野:医療分野を除き、幅広く募集
・研究開発期間:最長4.5年
・研究開発費:上限2,500万円/年(マッチングファンド型資金)
3.実装支援
目的:大学などの研究成果を社会実装するため、スタートアップなどによる実用化開発を資金貸付で支援する。
・課題提案者:ベンチャー企業など
・対象分野:医療分野を除き、幅広く募集
・研究開発期間:最長3年
・研究開発費:上限5億円(総額、返済型資金)
・返済条件:事後評価に応じて返済額が変動(S~B評価:全額返済、C評価:10%返済)
A-STEPは、大学の研究成果を企業の技術開発につなげるための重要な橋渡し役を果たす。特に、社会課題解決を目指す中堅企業にとって、大学との共同研究やスタートアップ支援を通じて新たな事業機会を創出する絶好の機会となる。産学連携を検討している企業は、このプログラムを活用し、技術革新と事業成長を加速させたい。
「イノベーション拠点税制」で知的財産を活用した成長を後押し
「イノベーション拠点税制(イノベーションボックス税制)」は、国内で自社が研究開発した知的財産を活用する企業を対象に、ライセンス所得や譲渡所得に対して所得控除を提供する制度である。
対象となる知的財産は下記の2つである。
特許権:自社で開発した技術に基づく特許
AI関連プログラムの著作物:AI技術を活用したソフトウェアやアルゴリズム
これらの知的財産から生じるライセンス所得や譲渡所得に対し、30%の所得控除が適用される。
この税制は、研究開発を通じて生み出した知的財産を収益化し、企業の競争力を強化するための有力な支援策である。特に、技術革新を事業の柱とする中堅企業にとって、税負担を軽減しながら成長を加速させる絶好の機会となる。

5.海外展開
グローバルサウス未来志向型共創事業で海外展開を加速
「グローバルサウス未来志向型共創等事業」は、成長が期待される未来産業分野において、日本企業がグローバルサウス諸国の現地企業と連携し、強靱なサプライチェーンの構築やカーボンニュートラルの実現を目指す取り組みを支援する制度である。海外プロジェクトの事業実施可能性調査(FS)や商用化に向けた実証事業が対象となる。
事業スキーム
大型実証
補助額:5億円以上、40億円以下
補助率:中小企業以外1/2、中小企業2/3
事業期間:最長3年間
小規模実証/FS(事業実施可能性調査)
補助額:上限5億円(小規模実証)、上限1億円(FS)
補助率:中小企業以外1/2、中小企業2/3
事業期間:1年程度
この事業を通じて、大型・小規模実証やFSを実施し、日本企業による海外インフラや技術の受注を目指す。
申請に際しては、以下のいずれかの類型に合致することが要件となる。
1.共創型:日本のイノベーション創出につながる事業
2.高度技術展開型:日本の先端技術を海外に展開する事業
3.サプライチェーン強靱化型:サプライチェーンの強化を目指す事業
この事業は、グローバルサウス諸国での事業展開を検討している企業にとって、海外市場での競争力を高める絶好の機会である。特に、未来産業分野での技術実証やインフラ構築を目指す企業にとって、補助金を活用することでリスクを軽減しながら事業を進めることが可能となる。海外展開を視野に入れている中堅企業は、この制度を積極的に活用し、成長戦略を加速させたい。

中堅・中小建設企業の海外進出を支援する取り組み
中堅・中小建設企業の海外展開を後押しするため、政府は各種セミナーの開催や事業計画策定支援、海外訪問団の派遣など、多角的な支援を行っている。また、中堅・中小建設企業や政府関係機関、金融機関などと連携した「中堅・中小建設企業海外展開促進協議会(JASMOC)」を運営し、情報共有やビジネスマッチングの機会を提供している。主な支援内容は以下の通りである。
1.各種セミナーの開催
・海外進出戦略や事業計画策定のポイントを学ぶ「海外事業計画策定支援セミナー」
・現地企業や大学との連携を促進する「海外大学連携技術紹介セミナー」
・リスク管理や地域特化型の「海外進出セミナー」など、JASMOC会員企業のニーズに基づき開催。
2.海外事業計画策定支援
中小企業診断士などの専門家が個別面談を通じて、海外進出戦略の立案から事業計画の具体化までを支援。
3.海外訪問団の派遣
中堅・中小建設企業で構成される訪問団を対象国に派遣。現地政府との意見交換やJICAからのブリーフィング、現地企業とのビジネスマッチング、現場見学などを実施。
4.JASMOCの運営
業界団体や支援機関と連携し、海外進出に役立つ情報提供や企業PRを支援。企業紹介シートを活用した現地企業とのマッチングも行う。
この取り組みは、海外進出を目指す中堅・中小建設企業にとって、戦略策定から現地でのビジネス展開までを包括的にサポートする仕組みである。特に、現地企業や政府機関とのネットワーク構築を目指す企業にとって、JASMOCの活動は大きな助けとなる。海外市場への進出を検討している企業は、これらの支援を積極的に活用し、新たな成長機会を掴みたい。
6.GX・DX
DX認定制度でデジタル変革を加速
「DX認定制度」は、企業がデジタル技術を活用して自社のビジネスを変革するためのビジョン・戦略・体制が整備されている事業者を認定する制度である。情報処理の促進に関する法律第31条に基づき、経済産業大臣が認定を行う。
制度の概要は以下の通りである。
対象:企業規模や業種を問わず、すべての事業者が対象。
費用:認定申請や認定維持にかかる費用は無料。
申請方法:1年を通じてオンライン申請が可能。
審査・認定:IPA(情報処理推進機構)が審査を行い、経済産業大臣が認定。
認定事業者の公表:認定事業者の情報はオンラインで公開され、取り組み内容の検索が可能。
認定事業者へのアンケート結果によると、DX認定を取得することで以下のような効果が得られている。
自社の見直し機会:認定取得プロセスを通じて、自社のビジョンや戦略を再確認する良い機会となる。
経営陣との対話促進:経営陣との対話が増え、経営方針の決定に役立つ。
営業効果:新規営業で顧客からの反応が良くなり、売上増につながる。
人材確保:デジタル人材の応募が増え、実際に人材確保に成功するケースが多い。
DX認定制度は、デジタル技術を活用したビジネス変革を目指す企業にとって、社内体制の整備や外部への信頼性向上を図るための有効な手段である。特に、営業活動の強化やデジタル人材の確保を目指す中堅企業にとって、認定取得は大きなメリットをもたらす。オンライン申請が可能で費用も無料のため、DX推進を検討している企業は積極的に活用したい。

地域デジタル人材育成・確保推進事業でDXを加速
地域企業のDX推進を支えるため、デジタル人材の育成・確保を目的とした「地域デジタル人材育成・確保推進事業」が展開されている。この事業では、オンライン教育サイト「マナビDX」の運営や、実践的な教育プログラムを通じて、地域企業のDX実現を後押しする。
主な施策内容は次の通りである。
オンライン教育サイト「マナビDX」
概要:すべての社会人が必須スキルとして習得すべきデジタルスキルを学べるオンライン教育サイト。
特徴:約230社が提供する約730講座を掲載(令和7年1月時点)。生成AI関連の講座も含まれており、幅広い教育コンテンツを提供。
「マナビDX Quest」教育プログラム
ケーススタディ教育プログラム:データ付き教材を用い、課題解決プロセスを疑似体験するプログラム。
地域企業協働プログラム:地域企業と協働し、デジタル技術の実装にチームで取り組む実践型プログラム。
対象:社会人および学生が受講可能。
この事業は、地域企業が必要とするデジタル人材を育成し、DX推進を加速させるための重要な支援策である。特に、オンライン教育サイト「マナビDX」は、幅広い講座を提供しており、企業の従業員がデジタルスキルを効率的に習得するための有力なツールとなる。また、「マナビDX Quest」を通じて、実践的な課題解決能力を養い、地域企業との協働を深めることが可能である。
デジタル人材の育成が課題となっている中堅企業は、この事業を積極的に活用し、DX推進の基盤を強化したい。社員のスキルアップや地域企業との連携を通じて、競争力を高める絶好の機会である。
中堅企業成長促進パッケージを活用し、次のステージへ
中堅企業は、地域経済を支える重要な存在であり、その成長は地域全体の活性化につながる。本稿で見てきたように、「中堅企業成長促進パッケージ」は、資金調達や設備投資、人材確保、イノベーション、海外展開、GX・DXなど、幅広い分野で企業の成長を後押しするための支援策が網羅されている。
これらの施策を活用することで、経営課題の解決や新たな事業展開の実現が可能となる。政府が提供する支援を最大限に生かし、自社の競争力を高めることは、次のステージへ進むための大きな一歩である。
成長を目指す経営者の方々には、ぜひこのパッケージを積極的に活用し、未来への挑戦を加速させてほしい。そして、地域経済の中核を担う存在として、さらなる飛躍を目指していただきたい。
※本文、図表は中堅企業成長促進パッケージ2025【2025年2月版】より作成・抜粋しています。