いまや企業にとって経営課題ともいえるSDGs(【図表1】)。国連が2015年に採択した「持続可能な開発目標」のことで、「貧困をなくそう」など地球規模で17のゴールが設定されている。日本でも浸透してきているが、実際のところ、認知度はどの程度だろうか。
【図表1】SDGsの掲げる17目標
日経リサーチの調査(20歳以上の男女1000人を対象に実施)によると、SDGsの認知度は37%※1。ただ、回答者をビジネスパーソンに絞ると44%に達する。
ところで、SDGsの認知度は調査によりばらつきがある(調査対象の違いによるものと思われる)。例えば、電通の調査(全国10~70歳代の男女6576名を対象に実施)はSDGsの認知度が16%。性別・職業別に見ると、男性の認知度は20.5%、女性は11.6%、学生は24.8%※2。いずれにせよ、SDGsの認知度は高まってきているものの、「広く一般に浸透している」とまでは言い難いようだ。
さらに、調査対象者にSDGsの内容を説明した上で、「この目標に取り組んでいる企業の商品を買ったり投資したりしているか」「この目標のために活動しているNPOや団体に参加しているか」「この目標のために個人的に実践しているか」を尋ねたところ、6割の人が少なくとも一つ以上、何らかの目標に向けて取り組んでいることが判明した。(【図表2】)
「積極的にSDGsに取り組んでいる地域の自治体や、NPO活動に、何らかの形で参加・協力したいか」を尋ねると、「そう思う」「ややそう思う」の肯定意見が53.1%となった。
つまり、SDGsを知らなくてもすでに実践していたり、機会があれば関わりたいと考える人は多いのが実情のようだ。SDGsの認知・浸透が進めば、取り組みはいっそう拡大していくことだろう。
※1 日経リサーチ「SDGsに関する自主企画調査」(2019年9月11日)
※2 電通「SDGsに関する生活者調査(第2回)」(2019年4月22日、【図表2】も)
【図表2】SDGsの掲げる17目標について、あなたの考えや行いに近いものは?(複数回答可)