パパの帰りは「早い方がいい」
「亭主元気で留守がいい」。それが、かつて妻たちの“常識”だった。しかし、そんな考えは家でも職場でも忙しい現代のワーキングママにはもう通用しないのかもしれない。
象印マホービンが3大都市圏(首都圏・中京圏・関西圏)在住の20・30歳代、かつ3~6歳までの子どもを持つ母親を対象に行った調査※1によると、「夫には早く帰宅してほしいか」尋ねた問いに対し、76.9%が「早く帰ってきてほしい」と回答している。(【図表1】)
早く帰ってきてほしい理由として最も多かったのは、「家族だんらんの時間が増えるから」(56.3%)。ただ、「家事が早く片付くから」(28.7%)、「どこかに寄ってもお金を使うだけだから」(17.5%)など合理性を重視した意見も(【図表2】)。一方、早く帰宅してほしくない理由としては、「家事・育児に関して夫は戦力外だから」、「自分(妻)の手間が増えるだけだから」という厳しい意見が多数だった。調査結果からは、「夫には早く帰ってきてほしいが、“即戦力”として活躍できることが前提条件」という妻の本音が透けて見える。
別の調査では、多くの母親が「自分の時間」を持てないことに不満やストレスを抱えていることが明らかになっている。三陽商会の調査※2によると、中学生以下の子どもを持つ20~40歳代の母親のうち、51%が独身時代と比べて「時間」が足りなくなったと感じ、71%の母親が「家事・育児から解放されたいと思った瞬間がある」現状が明らかになった。
ところで、先ほどの象印マホービンの調査で尋ねた「政府に家庭内の働き方改革にも取り組んでほしいか」という問いに対し、66.4%の母親が「取り組んでほしい」と回答。母親の多くは家事・育児の夫婦間における分担に不満を感じているようだ。
働き方改革で企業での働き方が徐々に変わりつつある中、円満で持続可能な家族生活に向けた“家庭での過ごし方改革”も急務だろう。
※1 象印マホービン「ママの家事・育児に関する意識調査」(2019年5月、図表も)
※2 三陽商会「母の日に関するアンケート調査」(2019年4月22日)