その他 2019.07.31

災害時こそ「スマホ」が必須?

近年、地震や台風、大雨などの災害に見舞われることが増えている。2018年は西日本豪雨、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、台風21号など大規模な自然災害が相次ぎ、さらに2019年6月には山形県沖地震が発生。多くの人々の生活に支障を来した。

 

停電した真っ暗な夜道を帰宅した際にスマートフォンのライトアプリで足元を照らしたり、身近な人の無事をLINEや電話で確認したり、Twitterなどで近隣の被害状況や復旧状況を調べたり。普段以上にスマホが手放せなかったという人も多かっただろう。

 

スマホが“ 非常時の必須アイテム” であることは、現代人の共通認識と言えそうだ。工業用ゴム部品などを製造販売する藤倉コンポジットの調査※1によると、「災害時に避難場所に持っていくものとして、スマホは必須アイテムだと思いますか?」という質問に対して、実に92%が「そう思う」と答えている。

 

「災害時、“スマホ頼み” になる(スマホがなくては対応ができない/難しい)と思うこと」を尋ねると、「安否確認」(71%)、「災害状況などのニュース確認」(60%)、「居場所の通知」(60%)、「避難所や救援物資などの情報収集」(55%)などが上位に挙がった。(【図表1】)

 

 

さらに興味深いのは、「災害時、避難先に次のどちらか片方しか持っていけないとした場合、どちらを選びますか?」という質問に、通帳や身分証明書よりもスマホを優先したいという人が多数派を占めていたことだ。(【図表2】)

 

ただ、非常持ち出し品の中身は変わっても、肝心の人々の防災意識はあまり変わっていない。損害保険ジャパン日本興亜の調査※2によると、実際に「家庭で地震や津波への備えをしている」と答えた家庭は全体の約6割(56.5%)にとどまった。また、北海道では約7割(66.6%)に上るが、中国や九州では5割を切るなど、地域間での格差も目立つ。

 

残念ながら自然災害の発生は不可避だし、M8~9クラスの巨大地震、南海トラフ地震は30年以内に70~80%という高確率で発生すると予測される。これを機に、自宅や自社の防災対策を見直してみては。

 

※1 藤倉コンポジット「『スマホ時代の防災対策』に関する調査」(2019年4月15日、図表とも)
※2 損害保険ジャパン日本興亜「災害への備えに関するアンケート」(2019年2月26日)