コラム
2015.10.30
特集1:人材ブランディング ~「ヒト」こそ競争力の源泉~
2015年11月号
2014年の入職率、前年比1.0ポイント増の17.3%と3年連続の上昇
2年連続の入職超過、離職率は3年連続の低下
このほど厚生労働省が発表した『雇用動向調査』によると、2014年の入職率は17.3%となり、前年に比べ1.0ポイント上昇した。一方、退職や解雇などによる離職率は15.5%と同0.1ポイント低下したため、1.8 ポイントの入職超過となった。入職超過は2年連続となる。(【図表1】参照)
入職率※1は、年初(1月1日時点)の常用労働者数に対し、その年に職に就いた人の割合を示す。景気が回復すると上昇する傾向がある。入職率の上昇は3年連続。17%台に達したのは、調査範囲を拡大した04 年以降で、05年(17.4%)に次ぐ2番目に高い水準となった。景気回復に伴って就職した人や転職した人が増えたためとみられる。
一方、離職率※2は3年ぶりに低下した。性別にみると、男性(13.2%)は前年から横ばいだったが、女性(18.5%)は前年に比べ0.2 ポイント下がった。結婚・出産・育児などを理由に退職する女性が減ったことが、全体の離職率を押し下げた要因となっている。
この結果、雇用の流動性を示す「延べ労働移動率」(入職率+離職率)は前年比0.9 ポイント増の32.8%となり、3年連続で上昇した。
入職率を産業別にみると、「宿泊・飲食サービス業」(39.0%)が最も高く、次いで「(他に分類されない)サービス業」(29.0%)、「生活関連サービス・娯楽業」(28.0 %)が続く。一方、離職率は宿泊・飲食サービス業(31.4%)、生活関連サービス・娯楽業(22.9%)、他に分類されないサービス業(22.3%)の順で、入職率が高い産業は離職率も高い。なお16産業のうち入職超過は12 産業で、前年(11 産業)を上回った。
雇用創出率/雇用消失率
前年末の雇用者数に対し、1年間で創出された(消失した)雇用者数の割合を示すもの。例えば、ある事業所で1年の間に1名が退職し、その欠員補充として1名を採用した場合、これらの数字は相殺され、創出(消失)雇用者数にはともに含まれない。
一方、『雇用動向調査』の入・離職者数は、企業間の労働移動をみるもので、この場合は入職者1名、離職者1名として計上される。雇用動向調査の結果からは雇用の増減が事業所新設による創出か、廃止による消失かが分からないため、厚生労働省が2011年より試算を行っている。
14年の雇用創出率(官公営を除く民営企業)は6.5%、雇用消失率は7.1%と、それぞれ前年比0.2ポイント増、0.6ポイント増となった(【図表2】参照)。従業員規模別にみると、創出・消失率ともに「5~29人」が最も高い(創出率7.7%、消失率7.2%)。
従業員に占める女性の管理職(課長相当職以上)割合、平均6.4%
「ゼロ(全員男性)」の企業が50.9%と半数超に
生産年齢人口の減少や共働き世帯の増加などにより、職場における女性の存在感がますます高まっている。だが、女性の活用・登用について本腰を入れて取り組んでいる企業は少ないというのが現状だ。
このほど帝国データバンクが発表した調査結果(有効回答企業数:1万1008社)によると、従業員に占める女性の割合について「30%以上」と答えた企業は28.3%にとどまった。「10%未満」「0%(全員男性)」を合わせると女性従業員割合が10%に満たない企業は29.5%となり、14 年の30.7%から2割台に低下した。女性従業員割合の全体平均は24.2%(前年比0.3ポイント増)だった。(【図表】参照)
一方、管理職(課長相当職以上)に占める女性の割合をみると、30%以上の企業はわずか5.9%。逆に0%が50.9%と半数以上に達し、女性管理職が1割に満たない企業が80.8%に上った。女性管理職の平均割合は6.4%(0.2ポイント増)だった。
8月28日、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(女性活躍推進法)が成立した。2016年4月1日から、従業員301人以上の企業は女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが新たに義務付けられる(300人以下の企業は努力義務)。具体的には、①自社の女性の活躍状況の把握・課題分析、②行動計画の策定・届出、③情報公開という三つだ。
このうち女性の活躍状況については、採用者に占める女性比率や勤続年数の男女差、労働時間の状況、管理職に占める女性比率を把握し、課題を分析する必要がある。また女性の活躍推進に向けた行動計画には、計画期間や数値目標、取り組み内容とその実施時期を盛り込まなければならない。
政府は『「日本再興戦略」改訂2015』で、女性活躍促進のKPI(重要業績評価指標)として「2020年に指導的地位に占める女性割合30%」を掲げている。が、現状の女性管理職の平均割合は1割以下。女性活躍推進法が施行する16年4月以降、多くの企業は行動計画を策定する上で苦労しそうだ。
業態別(前年比増減率は既存店ベース)では、「百貨店」(2.1%増の6 兆8274 億円)、「スーパー」(0.3%増の13 兆3699 億円)、「コンビニ」(0.7 % 増の10 兆4232億円)の3業態がそろって増加した。特にスーパーは1991 年以来23年ぶりに既存店ベースで増加に転じた。(【図表2】参照)