その他 2018.05.31

子どもの保護者の関心事は、入試より”支出”
幼稚園~大学の1人当たり教育費最大約「2578万円」

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2018年6月号

 

 

ところで、文科省の調査は大学の学費がない。では国公私立大学を含めると総額はいくらになるだろうか。日本政策金融公庫が今年2月にまとめた調査結果によると、子ども1人当たりの大学4年間の費用(入学金を含む、17年度)は697.2万円(【図表3】)。大学別では、私立理系が807.8万円、同文系は738.1万円、国公立503.2万円だった。文科省の支出額を合算すると、幼稚園?大学まで全て公立に通った場合は約1043万円、全て私立の場合は文系約2508万円、理系約2578万円となる。

 

 

【図表3】子ども1人当たりの大学入学~卒業までに必要な費用 出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

【図表3】子ども1人当たりの大学入学~卒業までに必要な費用

出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

 

 

ちなみに同庫が算出した、世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる小学校以上の費用合計)の割合は平均15.5%となり、2年連続で減少した(【図表4】)。近年の景気回復や国・地方自治体による負担軽減策を受け、“教育エンゲル係数”は低下傾向にある。

 

 

【図表4】世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる費用合計)の割合 出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

【図表4】世帯年収に占める在学費用(子ども全員にかかる費用合計)の割合

出典:日本政策金融公庫「教育費負担の実態調査結果」

 

 

とはいえ、教育費の家計負担は依然重い。ソニー生命の調査(今年1月)で教育費の負担を重いと感じる保護者が7割強もいた。ただ、「子どもの学力や学歴は教育費で決まる」との回答も6割を超え、3人に2人が「教育はオカネ次第」と考えている。負担は重いが子どもの将来を考えると削れない。そんな親心が高額の教育費を支えている。