その他
2017.08.31
vol.24 話を終わらせてしまう、こんなひと言
2017年9月号
「そうなんですか?」でコミュニケーションをつなげる
話を冒頭に戻しましょう。
北海道新幹線開業からすでに1年半にもなりますから、「今さらそれがどうしたの?」という、若者の気持ちは分からないでもないのですが、あえて上司が頭をかきながら「家族で新幹線に乗って、北海道まで行った」という話題を出してきたのです。うそであっても、「そうなんですか?」と驚き、関心を示すことで、職場で有能な上司が、家でも夫として父として奮闘していることへの「称賛の気持ち」を表すのは、社会人として当然のマナーです。
「そうなんですか?」の言葉に誘われて、親子で仰いだ、一足早い北海道の秋の抜けるような空の様子を、うれしそうに語ってくれたかもしれません。
上司と話が続かない。
取引先との間でぎくしゃくする。
真面目でコツコツ働くのに、今ひとつ伸び悩む部下がいたら、ひょっとして「そうなんですね〜」のせいかもしれませんね。
筆者プロフィール
梶原 しげる (かじわら しげる)
早稲田大学卒業後、文化放送に入社。20年のアナウンサー経験を経て、1992年からフリーとしてテレビ・ラジオ番組の司会を中心に活躍。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学、心理学修士号取得。東京成徳大学経営学部講師(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員も務める。
\著書案内/
不適切な日本語
梶原しげる著/新潮新書
821円(定価)