vol.24 話を終わらせてしまう、こんなひと言
2017年9月号
一緒になって喜んでくれると期待したのに……
夕方に放送されたあるテレビ番組の「デパ地下特集」で、自社の食品がチラッと映った場面を目撃した、開発部門の管理職(48歳)は、あまりのうれしさに、入社間もない若手社員(24歳)にこう話し掛けたのだそうです。
上司 「うちの新商品の〇〇、昨日、テレビに出てたよね!」
24歳の部下「そうなんですね〜(‘o’)」
思わぬ薄い反応に、上司はその場をいったん引き下がったものの、納得がいかず、私に散々愚痴をこぼしたのです。
上司 「『そうなんですね〜』って、事前にテレビ局からのオンエア情報でも入手していたのか? 番組を見て、初めて知ってビックリしたり喜んでる私は、脳天気でアホだとばかにしているのか? それとも、自分の会社の商品に、そもそも関心なんてないのか!?」
まあ、ここまでひがむ上司にも問題はありそうですが……。
一方、総務部のベテラン女性も憤懣やるかたがないという感じです。この秋から受け付けの女性が2人、新しいメンバーに代わったのだそうです。
採用業務に一部関わった彼女は、素晴らしい人材を得られたことを誇らしげに思っていました。
そこで社内の反応を知ろうと若手男性社員の1人にこう尋ねたのだそうです。
彼女 「受け付け、今度、また2人新しい女性が加わったのよ」
男性社員 「そうなんですね〜」
彼女は男性社員の、サラッと平板に繰り出した無表情な言葉、「そうなんですね〜」に激怒していました。
「受け付けに新人登場」は、一昔前であれば、若い男性にとっては確実に「ビッグニュース」でした。
「えっ! まだお目にかかっていませんが、どんな感じの方ですか?有村架純とか、広瀬すずみたいだったりします? 楽しみだなあ!!!」
上司の一言にここまで乗っかるのもそれはそれで問題ですが、上司の提供した話題に「興味・関心を示す」というルールにかなった「受け」は、こちらの方です。
「そうなんですね〜」の評判は、想像以上に悪いのです。