その他 2015.09.28

vol.1 突然の指名をどう切り抜ける?
梶原しげる

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2015年10月号

気の利いたあいさつが ビジネスの成功にもつながる

前振りが長くなりましたが、ここからが本論です。「パーティーに出席するときは、最悪の事態に備えましょう!」とのお勧めです。皆さまに、私のようなつらい思いをしていただきたくないからです。

「私は経営のプロだ。しゃべりが仕事じゃないから関係ない」。そうおっしゃりたいお気持ちは理解できますが、今やそうもいかないようなのです。
「できるビジネスパーソン」には、特定の職業知識や能力のみならず、「発信力」、すなわち「会話力」が求められる時代です。

「あいさつ名人」の故スティーブ・ジョブズ氏や孫正義氏を「特別な人だから」と、他人事のように見てはいけないのです。優れたアントレプレナーは、ちょっとした席での気の利いたあいさつで注目を集め、投資家が興味を寄せるきっかけとする。これも、最近よく耳にする話です。他にも、チャンスを得るために「あいさつ力」をブラッシュアップしたい経営者が、「あいさつセミナー」を受講するケースが目立ってきました。

ちょっとしたパーティーでの「突然の指名」にどう対処するのか? これはわれわれアナウンサーに限らず、ビジネスパーソンにとってこそ、必須のスキルとなってきました。

若き日の私のように「突然の指名」に言葉を失い、たじろぎ、気の利いた一言も言えずすべりまくる。「そんな器の小さな人間にビジネスを任せられるか!」と、厳しい視線が注がれてしまうのです。

皆さまに恐怖を与えるのが連載の目的ではありません。「突然の指名」を乗り切って、あっぱれなあいさつをやり切ることができるのか? その糸口をお示しすることこそが私の責任なのです。
さて、先を急ぎましょう。