2016年5月号
同じ学力の2人は どうなったか?
外山准教授は、高校入学時点ではほぼ同程度の学習能力を持つ2人の生徒を比較しています。レベルの高い有名高校へ進学したAさんと、レベルの高くない無名高校へ進学したBさんの「その後」はどうなったのか?
最終的に、より優秀な成績を収めたのはAさんではなくBさんでした。
勉強のできる生徒ばかりに囲まれ、彼らと自分を比較する日々を過ごすAさん。劣等感だけが募り、有能感が低下する一方です。勉強に対するモチベーションを失い、最終的には悪い成績しか収めることができませんでした。
一方のBさんは勉強が苦手な生徒だらけの学校で、自分より学業の苦手な生徒との比較で有能感が高まります。自信がみなぎり、勉強に対するモチベーションもぐんと上がり、最終的にはAさんより高い成績を挙げることとなったのだそうです。
「そんな、ばかな」「レベルの高い学校へ行った方が、優秀な指導者や仲間に触発され、成績もつられて上がる」とお感じかもしれません。私もそう感じます。そう感じながら、私自身の「高校選び」をふと思い出してしまいました。