その他 2016.02.29

vol.6 どんな人材を採用するか 自慢だらけの自己PR
梶原しげる

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2016年3月号

本来自慢話はバランスが必要なもの

このように、微妙で、繊細で、よってハイレベルな知性が求められる“自慢”が、就活でなら軽々しく口にできる。こんな合意はいつできたのでしょうか?

就活の採用面接で、しきりに「自分の利点をためらうことなくアピールせよ! 自慢しろ!!」との勧めに、私は違和感を覚えるのです。

ひょっとしたら、自慢の対象が学生の本分である学業ではなく、本来サブ的な存在であるサークル活動やアルバイトなど、課外活動の経験での実績であることに理由があるのではないか、とも思いました。

「本業自慢はNGだが、副業自慢ならOK」といった日本特有の自慢スタイルなのでしょうか? 会社の経営者が経営自慢をすると嫌われますが、国道マニアとか仏像コレクションに夢中という「おたく自慢」は笑顔で聞いてもらえるのと、似た現象なのでしょうか?

さて、ここで考えてみましょう。課外活動自慢は本当に、採用者の心を捉えるのでしょうか。課外活動が達者な若者は、採用後に本当に活躍しているのでしょうか?