その他
2015.12.24
vol.4 着席パーティー 見知らぬ人にどう振る舞う?
梶原しげる
結婚披露宴で外国語に囲まれる
最近、「着席宴会」を体験して驚いたのは、友人の結婚披露宴が某宴会場で行われた昨年のことでした。
新郎は「ユニークな経歴」の持ち主です。大学院を修了後、米国の現地企業に採用され、その後韓国の大学に留学。私が出会ったのは彼が日本に帰国したころ。彼は30代半ばでした。真面目で欲のない勉強熱心な独身青年です。
一昨年の夏、彼は「中国語を学びたい」と、上海への短期留学のため日本を後にし、 1年きっかりで帰国しました。その時、驚いたことに、美女を伴って帰ってきたのです。
披露宴でも驚いたことが2つありました。
1つは列席者に合わせ、新郎自ら4カ国語を駆使してあいさつしたこと。とても感動的でした。
2つ目は、私の席が、中国から来日した新婦ご家族4名のテーブルだったことです。新婦の両親と叔父、そして中国服でお越しの80歳のおばあちゃま。
皆さん、生まれて初めての日本だそうです。
「着席初対面」に緊張が走りました。「気まずい」を超えた「おびえ」です。ここで必要なのは「何を話そう」どころか、「どう通じさせよう」なのです。立ちはだかる言語の壁……。
テーブルには、新婦家族以外に、私を含む3名が同席しました。1人は内モンゴルから来日して10年の女性。もう1人は日・中・韓3カ国を股にかける貿易商の男性です。
この方々が同席に座るのは納得です。とても流暢な中国語をしゃべるからです。テーブルの共通語は中国語! そこに、なぜ私が入れられてしまったのでしょうか。