その他
2019.02.28
Vol.42 82歳の和子さんが学び続ける理由
2019年3月号
歩き出した和子さん
そんな和子さんが、夫を亡くした1年後の2018年夏、早稲田大学オープンカレッジ八丁堀校で学び始めたのです。
和子「夫がまだまだ元気いっぱいだったあの日、八丁堀校の横を車で通った時『へえ、早稲田がここにもあったんだなあ』とうれしそうに言った20年も前の光景を、なぜか思い出したんです。そんな折、たまたま、学校案内のチラシを目にする機会がありました。読んでいるうち、ああ、やっぱり自分も、もっと勉強したいなあっていう気持ちが強くなって」
お話を伺ううち、果たして自分の講義は和子さんの学びへの強い思いに寄り添えたのかどうか、ちょっぴり不安になりました。
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和子「次回はいつ開講ですか?私、受講します。クラスの他の方もおっしゃってましたよ」
新米講師の私にとって、なんともありがたいことばに励まされた2018年、年の暮れでした。
筆者プロフィール
梶原 しげる (かじわら ?しげる)
早稲田大学卒業後、文化放送に入社。20年のアナウンサー経験を経て、1992年からフリーとしてテレビ・ラジオ番組の司会を中心に活躍。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学、心理学修士号取得。東京成徳大学経営学部講師(口頭表現トレーニング)、日本語検定審議委員も務める。
\著書案内/
不適切な日本語
梶原しげる著/新潮新書
821円(定価)