その他 2018.12.27

Vol.40 語彙力がないと、勉強しても意味がない!?

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2019年1月号

東大生が証言する語彙力の大切さ

偏差値35から2浪、晴れて東大生となって書いた書籍『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』(東洋経済新報社)が話題の西岡壱誠さんが、「語彙力の大切さ」を訴えています

「国語はもとより、数学、英語、社会、理科、あらゆる試験において、日本語の語彙力が身についていないと、いくら時間をかけて勉強しても結果につながらない」という趣旨の発言は、日本語検定審議委員の一人として「その通り!」と大いにうなずくところです。

さて西岡さんの話を続けましょう。東大受験の勉強を始めて、一番大きな壁として立ちふさがったのが「語彙力」だったそうです。実は、国語以外の科目の方が、語彙力が必要になると説いています。中でも、「英語」は日本語の語彙力がないと、絶対に伸びないと西岡さんは言います。語彙力がないと日本語を英語に直せず、仮に直せたとしても語彙力がないので、理解できないというのです。

また、どの科目の試験も、語彙力なしには問題文すら読み取れません。その一例として、受験で出題された、地理の問題を紹介しています。

「レアメタルは、世界中に遍在して埋蔵している○か×か」。どうってことのなさそうな問題ですが、「偏在」と「遍在」をキッチリ読み分ける語彙力がないと解けません。

にんべんの偏在は「偏って存在すること」、しんにょうの遍在は「広く行きわたって存在すること」と、意味がまるで逆です。あいまいな語彙力だと、こういった落とし穴にはまる危険があります。地理の問題のようで、実は語彙力の問題だとも言えます。

蛇足ですが、答えは×です。希少金属、レアメタルは「世界中、遍く、どこにも当たり前のように存在しているわけじゃありませんよね。特定の地域に偏って存在することは、たいてい理解されていますが、「遍在」という字を見た途端、“偏在”との区別が付かなくなる。語彙力不足に泣かされるというのは地理の問題に限らないようです。

※一部、東洋経済オンライン「語彙力がない子は『全教科の成績』が伸びない」(2018年9月1日配信)より引用