その他
2015.10.30
vol.2 スピーチ能力をグンとアップさせる簡単な方法
梶原しげる
2015年11月号
自分だけが熱く語り、いい気分になっていませんか?
とはいえ、実際には「聞いて損した」というスピーチが結構あります。
「若いころの私はこんなに努力した」だとか、「今の自分はこんなにすごい」「君たちはぬるま湯にいる」「君も〜すべきだ」「わが社は〜であるべきだ」「私たちの未来は〜であるはずだ」。
具体的な観察や事実に基づかない観念的な決め付けを聞かされて、「では私も頑張ろう」と反応する人はごくわずか。大抵は「また説教かよ……」とうんざりです。
スピーチの目的は、自分が熱く語っていい気分に浸ることではなく、聞き手をいい気持ちにして差し上げて、前向きな行動を促すことです。そのためにスピーカーは、日頃から聞き手をしっかり観察し、「何に興味を持っているか?」「何を話せば喜ぶか?」「どんなことを言われたらやる気を発揮してくれるのか?」を研究し、理解しておく必要があります。
人は、自分に興味を持ってくれている人の話に興味を持ち、心を動かされます。聞き手を知る努力もせず、「自分の思い」を滔々と語る「熱いスピーチ」には、聴衆はあくびをかみ殺し、時にむかついているでしょう。
「聞き手に無関心な人」はスピーチするたび、人望を下げてしまっています。