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【メソッド】

Focus 事例で見る経営課題解決

旬の経営課題に焦点を当て、TCG REVIEWのインタビュー記事から課題解決策を抽出。5分で読めるよう短くピックアップして紹介します。
メソッド2022.09.12

ジュニアボードで若手を育て、自社の未来を描く

株式会社大石膏盛堂

 

 

 

貼付剤業界のパイオニアとして、革新を続ける大石膏盛堂(佐賀県鳥栖市)。創業115年を迎える今(2022年)も、技術を生かした新市場開拓、海外市場への進出など新たなチャレンジを続ける。同社では2020年、次世代の幹部育成、ミドルアップ型の組織の構築、また何よりも若手社員が自由な発想で自社の未来を描く企業づくりに向け、「ジュニアボード」を導入。着実に成果を上げている。

 

 

1.現状打破と未来創造に向けて導入

 

40歳代で役員に就任した代表取締役社長の伊藤氏は、「早い段階から社員が経営者目線を持つ」重要性を実感。また、中堅社員の離職を背景に、社員が生き生きと働き、さまざまな意見の出る組織にしたいという気持ちが高まっていた。

 

さらに、新規事業を興し、アイデアを出しながら人も事業も成長する会社にしたいという思いや、役員定年を控える中での後継体制づくりの必要性もあり、現状打破と未来創造への思いからジュニアボードの導入を決意。当時の社長(現会長の野中良司氏)へ提言し、2020年に第1期がスタートした。

 

 

 

 

2.次世代幹部の育成、ミドルアップ組織を実現

 

ジュニアボード第1期メンバーとして、役員と同世代の課長クラス10名を選出。次世代の幹部育成に加え、トップダウンとボトムアップの中間である「ミドルアップ型」の組織づくりを見据えた人選だった。

 

メンバーにとって、自社を取り巻く環境や競争力、経営システムなど多面的な観点での現状分析や、長期ビジョン・中期経営計画の策定自体が初めての経験。カリキュラムを通じて自然と経営視点が身に付いたという。

 

 

 

 

3.ジュニアボードの成果

 

自社商品であるアイシングシートの高付加価値商品展開(新規事業)、新規領域の開発提案、現ビジョンの目標数値をはるかに上回る長期ビジョンなど、ジュニアボードからの提案は多数。他部署との交流が増えて全社最適思考が定着したこと、モチベーション調査やストレスチェックの結果数値改善など、社員の意識と行動が変化したことによる組織風土の改善・活性も進みつつある。

 

 

 

老舗でありながら、自由闊達で挑戦心あふれる風土の根付く同社。社員が経営者目線を養い、意見とアイデアを出し合いながら自社の未来を自由に描くことで、次の100年も時代に応じた形で「健康と医療への貢献」を果たし続けることだろう。

 

 

 

大石膏盛堂のジュニアボード・人材育成に関する記事
ジュニアボードコンサルティング

 

 

PROFILE

    • 会社名:株式会社大石膏盛堂
    • URL:https://www.o-koseido.co.jp/
    • 所在地:佐賀県鳥栖市本町1-933
    • 創業:1907年
    • 従業員数:317名(2022年6月現在、連結)

※ 掲載内容は2022年8月当時のものです。

 

 

 

 

 

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