チームコンサルティング理論 企業変革と持続的成長のメソッド
実践をコアバリューに新開発。半世紀を超える、変革と持続的成長のメソッド
タナベコンサルティンググループ(以降、TCG)がこれまで、半世紀以上にわたりクライアントとともに取り組んできた「チームコンサルティング」。本書では、多くの企業における経営課題の本質追求と改善、ビジョン策定の経営コンサルティングで活用してきた分析手法を基に新しく開発した経営メソッドについて、詳しく解説しています。
チームコンサルティング理論の特長は3つあります。1つ目は、「自社を取り巻く内外の環境変化」や「変革への戦略テーマ」から、核心を突いた状況判断をしていくこと(フェーズ1「知る(現状認識)」)。社会や経済、人と経営の日々の「変化」を整理することで、自社へのインパクトは何か、自社はどう変化しなければいけないのかが明確になります。パラダイムシフト(従来のものの見方や考え方、価値観の劇的な変化)の中、あらためて自社の経営をビジョン志向へ誘うとき、チームコンサルティング理論が役に立ちます。
2つ目は、的確な状況判断から価値判断基準を開発するところにあります。つまり、「使命は何か」「何が大事か」を明確にさせることです(フェーズ2「選ぶ(価値判断基準)」)。近年はパーパス(存在意義、貢献価値)の再定義の必要性が叫ばれていますが、TCGでは65年前から経営者とともに企業の最高の価値判断基準である経営理念を考え、定めてきました。
内外の状況判断から、自社の目標(KGI・KPI)を開発し、具体策へ落とし込むとき、キーワードになるのは「共感」です。「なぜ」「どうやって」という説明を丁寧に行い、「その通り」と共感を得られなければ、組織と人は動きません。ビジョンや目標実現のためのこうしたアクションこそ、チームコンサルティング理論の3つ目の特長となります(フェーズ3「行動する(突破口)」)。
チームコンサルティングの貢献価値は、経営者に伴走し、同じ目的意識で正しい決断を促し、持続的成長へ導く支援に他なりません。チームコンサルティング理論は、企業の持続的成長に向けて「経営者はいかに思考するべきか」という方程式の解決法であり、有象無象のテクニックや模範解答の引用によるマネジメントに警鐘を鳴らす、唯一無二の経営メソッドです。
また、本書ではチームコンサルティング理論に加え、50年以上にわたりクライアントの経営者とともに現場で実践してきた、前身となる思考法「経営ドック」についても詳述しています。その最大の特長は、コンサルティング現場の臨床事例から生み出された、経営課題を解決する戦略実行・実装のメソッドであること。このメソッドに立脚しているからこそ、TCGの経営コンサルタントは企業変革や事業再生の兆候をいち早く発見し、問題の真因を突き止め、解決の突破口を導き、先手先行で実践する経営コンサルティングを大事にしています。
1957年の創業以来、TCGはトップマネジメント層と真摯に向き合い、現在は世界で唯一無二「One & Only」の経営コンサルティング・バリューチェーンを追求しています。本書はTCGの経営陣であり、トップコンサルタントであるメンバーが、創業65周年の感謝を込め、総力を挙げて執筆した渾身の1冊。経営者やリーダーの皆さんが複雑で困難な経営課題と直面したとき、本書がその解決の処方箋となれば幸いです。
●定価1,760円(税込)
●仕様四六判、上製 296頁
●発行元ダイヤモンド社(2022年発行)