【第6回の趣旨】
第7期物流経営研究会の第6回は、大阪エリアで開催。ゲスト企業である株式会社ヒガシトゥエンティワンは80年の歴史を持つ総合物流企業であり、グループ全体で1,495名(2024年3月31日現在)、グループ売上高406億円(連結、2024年3月期)を達成している。
物流事業を主体に、物流事業から派生したオフィスサービス、3PL、ITサービス、ビルデリバリー、介護サービスなど、マーケット競争力の高い事業を有し、M&Aも活用しながら業容を拡大している。
開催日時:2023年7月27日~28日(大阪開催)
取締役 代表執行役社長 児島 一裕 氏
はじめに
同社はコーポレートスローガンに「Evolution for Customers-全進で未来へ“シンカ”-」を掲げ、グループビジョン、中期経営計画を基礎として成長を目指している。またグループパーパス「安心をずっと、驚きをもっと。人と技術とITで、新たな価値を創造し、豊かな明日へつなぎます。」を制定し、従業員一人ひとりがグループパーパスを意識し行動することで、自社のエンゲージメントを高めている。
同社は創業80年になる老舗物流企業である。創業間もない段階から大手金融機関と取引を開始。業容を拡大しながら成長する中で、M&Aを活用しながら運送事業を核に幅広い事業を展開している。
まなびのポイント 1:フリーロケーション管理を採用
門真ロジスティクスセンター(大阪府門真市)は、大手ECサイト運営会社の専属物流センターとして2020年7月から運用を開始。家電製品、家具、釣り竿、ゴルフクラブなど、ベルトコンベヤでの荷扱いができない特殊な形状の製品の入荷、保管、出荷、配送などを行う。
時期によって商品ごとの在庫数も異なるため、スペースの有効活用と収納効率を向上させる目的で「フリーロケーション管理」を採用。フリーロケーション管理とは、納品された商品を大きさや形状に応じて、フリーに空きスペースに格納するロケーション管理方法である。この方法により、入出庫時の生産性が向上し、入出荷量に合わせた保管スペースの確保を可能にしている。
フリーロケーション管理を採用
まなびのポイント2:荷捌き・保管業務に集中し、EC需要を取り込む
国内貨物輸送量が横ばいで推移する中、BtoCの物販EC取引量は増加傾向にある。同社ではこの需要の取り込みを視野に入れていたが、一方でラストワンマイルの大手事業者との配送においては競争が厳しく、また今後のドライバー不足の懸念から収益性の確保が厳しいことが予測された。
そこで同社では、「荷捌き・保管業務」に集中することがEC需要を取り込むことにつながると考え、鳴尾浜ロジスティクスセンター(兵庫県西宮市)において最新のロジスティクス設備(自動コンベアや自動ソーター(仕分け機))を配置し、大手EC向け3PL事業を展開している。
鳴尾浜ロジスティクスセンター