【第10期「住まいと暮らし成長戦略研究会」の趣旨】
日本国内において、人口減少や新築着工棟数の減少など、住宅・リフォーム・建設・不動産をはじめとする「住まいと暮らし業界」にとって厳しい未来が予測される。だが、住まいと暮らし業界は人間の生き方に関わる領域であり、なくなることはない。「住まいと暮らし成長戦略研究会」では、自社の魅力を最大化し、本質的な価値を提供することで「顧客に選ばれる企業」で在り続けるためのヒントを学ぶ。
今期のメインテーマは、「個性化戦略」。自社の持ち味を生かした個性化戦略で「地域ファーストコールカンパニー」を目指す企業の取り組みを紹介する。第1回は、「鳥取のまち、人々の暮らしをより良くしたい」という強い思いを持ち、事業の多角化によるLTV戦略を展開するヤマタホールディングス様より学びを得た。
開催日時:2023年9月25日(鳥取開催)
代表取締役 山田 雄作 氏
株式会社ヤマタホーム
取締役 住宅営業本部長 清水 寿広 氏
はじめに(会社概要):「鳥取で一番、鳥取の人々を幸せにする」
ヤマタホールディングスは、「鳥取で一番、鳥取の人々を幸せにする」をスローガンに、多角的に事業を展開する企業である。
事業内容は、住宅・商業施設、公共事業の設計・施工からリノベーション、不動産開発・仲介・売買、飲食店・インテリアショップの経営、レンタルスペースの運営、生活サポートサービスなど多岐にわたる。鳥取県の地域活性化を目的とした活動と、持続的な地域発展を目指した新たなソリューションを展開している。
ヤマタホールディングスの「MVVSS」
まなびのポイント 1:LTV(顧客生涯価値)の最大化戦略
鳥取県の人口は約54万人(2023年3月1日時点)であり、国内で最も人口が少ない都道府県である。
同社は、この小さい市場で企業価値を高めるために、LTV(顧客生涯価値)の基盤構築と最大化を目指している。例えば、住宅建築を行った顧客が15年後にリフォームを考えた時、リフォームができる体制を、また、雑貨・家具などを購入した顧客が将来住宅を建てる時にサポートできる体制など、グループ間の送客の最大化を目的に、多角的な事業を設計している。
LTV(顧客生涯価値)の基盤構築と最大化
まなびのポイント 2:「MVVSS」の明確化と戦略的ブランディング
ヤマタホールディングスは、魅力的な会社づくりに向けてパーパス経営を強化している。まずは、同社の「MVVSS」を明確にし、それを社員とともに推進していくためのクレドカードを作成した。戦略的なインナーブランディングである。
さらに、エリアシンボル施設などのネーミングライツの取得、各種イベントへの積極的な参加など、自社の露出度をあげるアウターブランディングにより、社員の誇り、自信が高め、さらなるインナーブランディングの向上につながっている。
ヤマタホールディングスが作成したクレドカード
まなびのポイント 3:グループ長期ビジョンを基にバックキャスティングで目標を設定
同社は、グループ長期ビジョン(目指すべき姿) 「小さな事業体の集まりによってアットホームさを残しながらも力を持った企業グループになる」を掲げ、バックキャスティングの考え方で、2025年3月期グループ総売上高46億円、2035年3月期グループ総売上高100億企業を目指している。
「鳥取の最先端を走り、鳥取のまち、鳥取の人々の暮らしをより良くし、地域を愛し、地域に愛され、地域にかかせないグループ そんなグレートの企業を目指す!」が、同社の代表取締役・山田雄作氏が考える自社の在るべき姿であり、社内の合言葉にもなっている。
ヤマタホールディングスは、住まいを通じた地域活性化ビジネスモデルの最先端企業として、さらなる飛躍を遂げていく。
ヤマタホールディングスが掲げる「超長期目標2035」