物流業界は、業務が忙しいにもかかわらず営業利益率が2%未満の企業と、荷主と直接取引し、営業利益率5%以上を維持している企業の2つに二極化している。そのような中、当研究会ではステークホルダーから“選ばれ続ける”物流会社になるためのヒントを紹介している。
開催日時:2023年3月16日、17日(東京開催)
代表取締役 浦嶋 一裕 氏
はじめに
同社は、フジホールディングスとNTTドコモの共同出資で2017年に設立された、車両位置動態管理のプラットフォーマーだ。主力サービス「DoCoMAP」は、車両に取り付けたGPS端末からの位置情報を、GoogleMaps上にリアルタイムで表示・管理できる動態管理サービスで、2023年2月現在で450社以上が導入している。また、運行記録やアルコールチェック管理、配車システムも提供し、安全で効率的な物流を支援している。
DoCoMAPの特徴は、多様なデバイスのGPSデータを1つのプラットフォームで一元管理できる互換性の高さである。また、「配車担当者がいかにうまく使えるか」を大切にした使いやすいUI(ユーザーインタフェース)も好評を博している。
マルチデバイスに対応する車両位置動態管理のプラットフォーム
まなびのポイント:自社の課題から導入後の可能性を考える
浦嶋氏は、「自社の課題とサービスを照らし合わせ、解決の可能性を広げてもらいたい」と話す。運送会社A社では、運行状況について、配車担当者とドライバーが日々、荷主と電話連絡しており、対応時間を取られてしまうという課題があった。しかし、DoCoMAPを導入し、車両の位置情報が荷主に可視化されたことによって、通話時間が約90%削減された。
また、トヨタ自動車のサプライチェーンの一角を担い、トヨタ生産方式との緊密な連携が必要なB社は、通常、車両の位置情報を見る必要はないが、地震などの災害時に現在位置をすぐに確認できるため、BCP(事業継続計画)の1つとして活用しており、有事の際のDoCoMAPの効果を実感しているという。
自社車両の位置情報を自由に公開したり、逆に他社車両の位置情報を自社のDoCoMAP画面上に表示することも可能