プロフェッショナルエージェンシーで業界を変える~ 建築士の採用支援から建築メタバースまで ~:クリーク・アンド・リバー クリーク・アンド・リバー
人口減に加え、65歳以上高齢者のいる世帯が4割を超える「社会課題解決時代」が到来している。さらに2100年の国内人口は高位推計でも5000万人を切ると予測されている。縮小する市場の中で競争を続けていては、業界全体が疲弊するだけで、明るい未来はない。
当研究会では、「住まい」というハードに、「暮らし」というソフトを付加し、商品・サービスの価値を高めること、1人の顧客と末永く繋がり続けること、周辺分野への進出、コミュニティづくりなどを、事例企業から学びながら、業界全体を成長させる【共創】の視点で、業界の継続発展を目指す。
今回は高齢期の暮らし方に焦点を当てる株式会社マザアス様、プロフェッショナル・エージェンシーのパイオニアであるクリーク・アンド・リバー社に講演いただき、住まいと暮らしに関わるプレーヤーとしてできること、また建築業界における新たな価値創造を学んだ。
開催日時:2022年10月19日、20日(東京開催)
建築グループ プロデュースディビジョンディビジョン マネージャー
鈴木 謙一 氏
はじめに
クリーク・アンド・リバー社は、知的財産の収益機会拡大をはかる「ライツマネジメント」、プロジェクト組成により付加価値の高い成果を実現する「プロデュース(開発・請負)」、プロフェッショナルに対して、仕事を提供する「エージェンシー(派遣・紹介)」の3つを事業の柱としている。
3つの事業の柱から8つの領域、18の分野まで幅広く展開しており、ソリューションとプロフェッショナルを掛け合わせてさまざまなサービスを生み出している。今回は、建築分野にフォーカスし、“建築メタバース”の必要性について学ぶ。
まなびのポイント 1:建築メタバースに着手したきっかけとは?
クリーク・アンド・リバー社は、建築業界の課題が住宅を建てる前に実物を見られない点だと考えた。アパレルでは「試着」、車では「試乗」、住宅では「試住」がある中で、建築とデジタルを掛け合わせることによって、住宅購入検討者が展示場に行かなくても実際の展示場と同じ感覚で気軽に「試住」ができる空間を作り上げた。
“VRを活用した試住”が普及することで、コロナ禍で展示場への来場者が減った建築業界に人が集まり、業界のビジネスモデルが変革するきっかけにもなると考えている。
まなびのポイント 2:これからの住宅営業戦略の考え方
今後、VRモデルハウスの保有は必須となる。オンライン上でモデルハウスを体感いただきながら商談を進めることで、お客様の希望に沿った提案を可能とし、具体的な受注までのセールスステップを組み込むことができる。
大手ハウスメーカーも建築メタバースに着手しており、建築メタバースが普及することによって、バーチャル総合展示場(メタバース空間)が近い未来、住宅営業の主戦場となると考えている。
まなびのポイント 3:新たなシステムにより、建築業界のビジネスモデルを変革する
同社が提供する「超建築Real」は、モデルハウスに3大革命を起こす。1つ目は、リモート案内。音声チャット機能でお客様の要望を伺いながら、全国どこでもリアルタイムでモデルハウスの案内が可能だ。
2つ目は、シミュレーション機能。お客様の要望に対し、壁紙の色やキッチンの高さを瞬時に変更することでお客様のイメージを正確に引き出す。3つ目は、超リアル臨場感。体の動きとリンクした臨場感を体験することができるため、浴槽に入って足を伸ばした時の感覚などをリアルに体験できる。
同社は建築メタバースを活用して新たな価値を創造し続け、建築テックでニューノーマルにおける新たな住宅販売スタイルの確立を目指す。さらに、建築業界のさらなるデジタルトランスフォーメーションに貢献し、2024年には14期連続の増収、売上高470億円を目指す。
「超建築Real」を体感(床色の変更)