特集1:価値の魅せる化
2016年4月号
2015年の農林水産物・食品輸出額、前年比21.8%増の7452億円
3年連続で過去最高
2015年の農林水産物・食品の輸出実績が7452億円(前年比21.8%増)となり、3年連続で過去最高を更新したことが農林水産省の調査で分かった。輸出額が7000億円台に達したのは初めて。(【図表1】)
農林水産物・食品の輸出額は、東日本大震災発生の翌年(2012年)に4497億円まで落ち込んだが、世界的な和食ブームを背景に震災以降の3年間で1.7倍と急伸した。政府は16年の輸出額の中間目標として7000億円を設定していたが、1年前倒しで達成したことになる。これを受け、政府は2020年の輸出目標額1兆円の前倒しを目指す考えだという。
輸出実績の内訳をみると、「農産物」が4432億円(前年比24.2%増)、「水産物」が2757億円(同18.0%増)、「林産物」が263億円(24.6%増)。農産物と林産物は3年連続の2桁増で、特に農産物は過去10年間で最大の伸び率だった。
主な輸出先を国・地域別にみると、1位は「香港」(33.5%増の1794億円)、2位が「米国」(14.9%増の1071億円)、3位は「台湾」(13.8%増の952億円)だった。次いで「中国」(35.0%増の839億円)、「韓国」(22.7%増の501億円)などが続いた。上位10カ国・地域のうち、アジアが7つを占めている。(【図表2】)
一方、政府が掲げる輸出戦略上の重点品目をみると、「コメ(援助米を除く)」(56.4%増の22億円)、「さば」(55.4%増の179億円)、「りんご」(55.0%増の134億円)、「粉乳」(54.1%増の56億円)などが大幅に増加した。
このほか、「日本酒(清酒)」(21.8%増の140億円)、「緑茶」(29.6%増の101億円)、「牛肉」(34.6%増の110億円)、「ホタテ貝」(32.3%増の591億円)、「ぶり」(38.2%増の138億円)が好調。また日本酒を除く「アルコール飲料」(40.2%増の250億円)、米菓を除く「菓子」(19.8%増の177億円)、「醤油」(19.5%増の62億円)なども大きく伸びた。