ミッションから始めるビジネスモデル
多くの会社には社是・企業理念・経営理念が存在します。いずれも創業者や社長の思い、哲学が織り込まれているものです。これらは企業における最高水準の価値判断基準であり、企業としての在り方やステークホルダー(利害関係者)に対する考え方が示されています。
ミッションとは、理念に基づいた企業の存在価値や使命、社会的役割であり、企業におけるミッションとは「社会の課題を解決すること」。ミッションを追求するためには、ソリューション(課題解決技術)が必要であり、このソリューションこそがビジネスモデルとして展開されていきます。
企業の根幹を成す理念は不変のものです。しかし、ミッションは社会課題・顧客課題が変われば、再定義すべきです。
自社を取り巻く社会課題・顧客課題を見つめ直し、①未来に確実に起こる顕在的課題、②未来に起こり得る潜在的課題、③自社の顧客や商品の先にある課題と照らし合わせ、今一度、自社のミッションを再定義してみてください。
事業の見通しを立てる上で大切な点は、事業を取り巻く環境変化のポイントを押さえ、それにより自社の事業にどういう影響が出るのかを先手先行で予想し、チャンスとリスクを見極めていくことです。自社の事業に影響を与える環境変化のポイント(業界の動向、日本経済の動向、世界の動向)を頭に入れ、「自社の経営環境」を認識する上で、次の3点を押さえておくことが重要です。
1.自社の事業の将来性(チャンスとリスク)
2.自社の事業領域の中におけるポジション(業界順位)
3.顧客ニーズ(顧客マインド)・社会ニーズの変化
また、時代が必要とする事業を起こすことが事業開発の王道であり、世の中が必要とする事業は時代とともに変遷します。
大半の事業は数十年の命です。長い社歴を持つ企業は、伝統産業の企業を除き、常に本業を変革しながら存続してきたのです。既存事業に安住することなく、常に事業の変化と成長にチャレンジしていくことが大切です。新しい時代の成長イメージを描くため、過去の成功体験は忘れ、謙虚に顧客を見つめる目を持っておきたいものです。