その他 2021.09.07

バックオフィスDX戦略フォーラム
ゲスト:グローウィン・パートナーズ、イー・ビー・ソリューションズ

 

 

バックオフィス部門を経営に貢献する付加価値部門へ!
「新時代」のDX戦略

 

 

タナベ経営は2021年8月24日、DXでバックオフィス部門の付加価値を高めるポイントを紹介するオンラインフォーラムを開催。豊富な実績を持つタナベ経営のコンサルタントと、DXのプロとしての経験豊かなゲストによる講演をリアルタイム配信し、122名の経営者やリーダー層の方々が視聴した。

※登壇者の所属・役職などは開催当時のものです。

 

 

Session1 バックオフィスDXの潮流

海外では「ビジネスの成果に貢献する付加価値部門」として位置付けられているバックオフィス部門。日本では、「下支え部門」という認識が根強く残っているのが現状である。DXでバックオフィス部門の業務効率化を進め、企業価値を最大化していくことが重要だ。

 

バックオフィス部門のDXに取り組むポイントは次の3つである。

 

1.レガシー企業文化からの脱却
変革できない企業はデジタル化競争の敗者の道を歩む

 

2.ツールに踊らされない骨太の活動
デジタル・顧客起点での戦略的見直しによる生産性向上と新たな価値創造

 

3.付加価値創造部門への進化
社内の下支え機能から、より能動的にフロント業務に関わる部門への変革

 

DXの本質とは、「単にレガシーなシステムを刷新する、高度化することにとどまるのではなく、事業環境の変化へ迅速に適応する能力を身に付けると同時に、その中で企業文化(固定観念)を変革すること」(経済産業省「DXレポート第2弾」より抜粋)。バックオフィス部門のDXで部門付加価値を高め、変化が激しく不確実性の高い環境に素早く適応できる企業体質を構築していただきたい。

 

 

 

株式会社タナベ経営

ファンクションコンサルティング東京本部

本部長代理

武政 大貴

中期ビジョン、経営戦略~経営計画策定、また、企業再生・再建支援コンサルティングにより、数多くの企業成長、収益体質改善で活躍。また5S・VM活動支援においては、経営視点からの企業体質改革を実現している。現実・現場・現品主義を信条とする行動派コンサルタント。中央大学法学部卒業。

 

 

 

Session2 企業の競争力を向上するIT投資計画と失敗しないシステム導入の進め方

1.経営を取り巻く社会・経済の変化

 

事業ライフサイクルの短縮化により、常に新しい事業を創出する必要がある。市場環境の変化や、ビジネスモデルの変更に柔軟に対応できる基幹システムの構築が必須。M&Aを積極活用した新規事業獲得も検討すべきである。

 

2.基幹システム構築に向けたIT投資の評価と実現のポイント

 

基幹システムの導入により、シームレスな業務連携、リアルタイムでの将来予測が可能となり、事業の動きを見える化できる。「何を実現するか」「それ自体が可能か」を事業計画・中期経営計画の目指す方向性に合わせて検討、提示していく。

 

3.基幹システム導入までのステップとポイント

 

基幹システムを見直す上で、「構想化フェーズ」と「実行・導入フェーズ」を分割して検討することが重要。(【図表1】)

 

4.IT投資計画の策定事例

 

大手広告代理店A社において、ビジネスモデルチェンジに伴い基幹システムを刷新。①収益管理ができる仕組みの構築、②人事情報の可視化・ナレッジのデータベース化、③IT技術を活用した業務効率・標準化の促進を行い、新たなビジネスに対応した収益力把握の可視化を実現した。

 

 

【図表1】基幹システムの導入ステップ

 

 

 

グローウィン・パートナーズ株式会社

Strategy & Operations事業部

事業部長

舟山 真登氏

2015年よりグローウィン・パートナーズ入社。上場企業グループの経理BPR、経理業務アウトソーシング体制の構築、経理業務のRPAによる自動化などの各種プロジェクトマネージャーを担当。また、Strategy & Operations事業において、会計をコアにした「IT・人事・業務」の最適化を実現するためのプロジェクトを多数支援。

 

 

 

Session3 バックオフィスのDXを軌道に乗せるために考えるべきこと

1.バックオフィス業務の構造変化

 

個別の改善では、今後のバックオフィス業務全体の構造変化に対応しきれない。仕事の進め方や業務の在り方、バックオフィス部門社員の働き方、企業風土自体の改革から進まざるを得ないのが現状。

 

2.IT化とDX化の違い

 

IT化も価値はあるが、個別の改善を働き方の見直しにつなげ、さらに価値を高めるのがDX化

 

3.バックオフィスDXを進める手順

 

(1)バックオフィス業務の変革ゴールを設定

 

(2)ゴールに向けた業務の整備

 

(3)目的に応じたツール選択と情報基盤の整備

 

4.役割を意識したツール群の選択

 

【図表2】の各ツールの位置付けを考慮した上で選択することが重要

 

 

【図表2】各デジタルツールの位置付け

 

 

 

イー・ビー・ソリューションズ株式会社

取締役

マーケティング&新規事業開発

統括

柳澤 時彦氏

一橋大学卒業。専攻は地域社会研究。株式会社東芝を経て現職。ERPパッケージを用いた製造業における基幹システムの導入、グローバル展開、活用に長年従事。近年ERPのSaaS化に伴い、古くからある業務改善からシステム導入という基本アプローチの重要性を再認識し、この手法の先にDXの解があると持論を展開する。

 

 

 

Session4 バックオフィスを付加価値創造機能へ転換するタナベ経営の
DXソリューションサービス

企業経営を考える上で、次の3つの社会環境を考慮しなければならない。

 

市場環境…人口減少・少子高齢化・需要構造の変化
経営環境…人材不足・コスト(原材料、人件費、物流など)の増加・ニューノーマルへの対応
競争環境…倒産件数は過去最低、異業種参入の増加

 

このような環境下で企業が持続的に成長するには、企業競争力を高めなければならない。「成長モデルへの転換競争期」に入っているのだ。企業競争力を高めるために必要なのが、バックオフィス部門のDXである。

 

①経理、総務、法務、人事などにおける単純作業の自動化
②営業、製造、工事、サービス部門などのフロント業務の効率化
③経営戦略やマネジメントにおける付加価値向上のための経営判断情報の提供

 

ぜひ、これまでに紹介した取り組みやポイントを自社の変革に生かしていただきたい。

 

 

 

株式会社タナベ経営

執行役員

ファンクションコンサルティング東京本部担当

アライアンス戦略担当

齋藤 正淑

経営ビジョン・戦略策定、事業承継戦略構築、財務・資本政策立案の構築を得意とするタナベ経営屈指のコンサルタント。特に、中堅企業の総合的な経営基盤強化を、収益構造の再構築により実現するとともに、その推進を支えるマネジメントシステム構築、経営人材の育成で数多くの実績を持つ。