先輩社員に言ってほしい「君がいて助かった、ありがとう」
「大卒新入社員の約3割が、入社した会社を3年以内に去る」。この傾向は長年変わらず、依然として若年層の離職率が社会問題になっている。要因はさまざまだが、先輩社員が掛ける言葉も、大きな影響を与えているという。
ソニー生命保険の調査によると、社会人1、2年生にとって、落ち込んでいるときに先輩社会人から言われてやる気に火が付くセリフは「君がいて助かった、ありがとう」が第1位(全回答者の45.7%)。次いで、「本当によく頑張った」(29.5%)、「何でも相談してね」(27.6%)など、感謝の言葉や褒め言葉が上位を占めた。(【図表】)
【図表】落ち込んでいるときに、先輩社会人に言われたら、やる気に火が付くセリフ(複数回答、3つまで)
逆に、先輩社会人に言われるとやる気が奪われるセリフは「この仕事向いてないんじゃない?」(31.0%)、「ゆとり世代だなぁ」(24.5%)、「私が若いころは○○だったのに」(21.8%)。他にも、「やる気ある?」「そんなことは常識でしょ」などが続く。新入社員は仕事に対する適性や姿勢、やる気を否定されるようなセリフに傷つき、意欲を失ってしまうようだ。
一方、リクルートマネジメントソリューションズの調査※では、上司に期待することとして「相手の意見や考え方に耳を傾ける」(47.4%)、「一人ひとりに対して丁寧に指導する」(41.7%)、「好き嫌いで判断をしない」(32.5%)が上位を占めた。
※リクルートマネジメントソリューションズ「2018年新入社員調査」
仕事や職場生活をする上での不安については、「仕事についていけるか」(57.5%)に続き、「先輩・同僚とうまくやっていけるか」が37.3%に上る。前述のソニー生命保険の調査でも、社会人1、2年生が挙げる良い会社の条件は「職場の人間関係が良い」が58.3%で最多。一方、社会人2年生がすでに辞めたい理由も「人間関係」が多数を占める。
そういうわけで先輩社員の皆さん、若手社員を「ゆとり世代」「さとり世代」など、ひとくくりにして説教する前に、「ありがとう」「君がいてくれて助かったよ」などと声を掛けてみては。