「アナログ」「感動体験」に夢中 ~今どきの若者の消費トレンド~
子どもの頃からスマホやパソコンに慣れ親しんできた、いわゆる“デジタルネイティブ”と呼ばれる若者世代。しかし、マーケティング支援会社のネオマーケティングが行った調査によると、意外にも今の若者はアナログな商品・サービスや感動体験に価値を感じていることが分かった。
調査は全国の18~29歳男女1000人を対象に、インターネットで実施。「アナログ要素のある商品を使ってみたいか」という問いに対し、64%が「使ってみたい」と回答した。具体的には「アナログ手帳」「手書きの手紙」「着物・浴衣」「純喫茶」など、“昭和感”の漂うものが挙がった。(【図表1】)
利用してみたい理由は、「プロセスが楽しい」「手間をかけることで味が出る(アナログ手帳)」「温かみがある(手書きの手紙)」「かわいい、情緒がある(着物・浴衣)」などであった。
また、「今後積極的にお金を使いたいこと」を聞くと、「思い出に残る体験」「感動的な体験」が上位を占め、“エモーショナル”な体験にお金を使いたい人が多い。
さらに、「アナログ商品を使いたい」かつ「感動的な体験に積極的にお金を払いたい」と答えた人に、日常に対する意識を聞いたところ、77.1%が「コミュニケーションは便利になったが、表層的な感じがすることがある」と回答した。(【図表2】)
デジタル機器が充実し、指1本で用事を済ませたり、メッセージのやりとりができたりと、便利な時代になった。一方で、日常生活の中で寂しさや人間関係の希薄さを埋めるかのように、アナログならではの温かみや、感動体験を求める若者は多い。「若者がモノを買わなくなった」「若者の○○離れ」といわれて久しいが、こうした傾向に着目した商品・サービスなら、若者世代の消費の“ツボ”を押さえ、支持を集めることができるのではないだろうか。