「誠実・挑戦・成長」を胸にモノ・ヒト・ユメづくりに挑む200年企業：石塚硝子 代表取締役 社長執行役員 石塚 久継×タナベコンサルティング 若松 孝彦

 

 

挑戦し続けることにより飛躍する企業へ

 

若松　2022年に、「挑戦し続けることにより、飛躍する企業へ」をコンセプトに、長期方針「ISHIZUKA2030」を策定されました。これから挑戦したい分野などはありますか。

 

石塚　ISHIZUKA2030では3つの重点ポイントを掲げています。1つ目が、「2030年度連結営業利益50億円」。2つ目が、「ISHIZUKA GROUPを支えるヒトづくり」。3つ目が「環境と調和した持続可能な未来社会への貢献」です。

 

これらを実現するには新しいビジネスを拡大させていくことが重要ですから、2023年5月に「未来挑戦部」を創設しました。これまでも新規事業プロジェクトはありましたが、評価基準が曖昧で、社員にとってはボランティア的な側面がありました。そうした課題を解決しようと、今回は所属する部署から集めた若い人財に各部門と未来挑戦部を兼務する辞令をきちんと出すなど、位置付けを明確化しました。

 

若松　読んで字のごとく、未来挑戦部という新たな事業部を立ち上げることで、新規事業に対する会社の方針が明確に伝わります。

 

石塚　ヒトづくりについては、2022年からタナベコンサルティングと一緒に戦略リーダー育成研修会を実施しています。研修を通して、「これをやってみたい」「人事制度を変えたら良くなるのではないか」といった意見が出ています。さらに、「自分たちでやってみよう」といった機運が高まっているため、こちらも組織を横断した課題解決に取り組んでもらっています。

 

若松　研修会でアイデアを出して終わりではなく、実装まで自分たちで挑戦してみることは大事なこと。それは、いわゆる「人的資本経営」の考え方にもつながります。

 

石塚　2030年に向けて中堅社員や若手人財を育てていくには、特に若い社員が挑戦しやすい環境をつくることが大切だと思います。同じ部署内の業務提案ならば上司や同僚に言いやすいですが、それ以外の提案についても持ち込める場所が必要です。未来挑戦部がそうした窓口になると、社員がもっと活躍できるようになり、会社も良い方向に向いていくと思います。

 

若松　意見やアイデアを出しやすい社風になると、挑戦するカルチャーが育っていきます。発言しやすい環境をつくる組織変革であり、若い人にとっても大きなチャンスになるでしょう。

 

石塚　挑戦したい人やそうしたカルチャーが社内にあるのに、まだ十分に引き出せていません。1人ではできないことも、チームとして取り組めば結果につながります。引き出す場所、チームさえあれば、若い人にもっと力を発揮してもらえると思っています。

 

若松　200年続く経営の背景には、取引先の要望に真摯に応える誠実なアイデンティティーや技術力、デザインを含めた有形無形の資産、そして未来を見据える「人財」があるのだとあらためて感じました。ISHIZUKA2030の実現に向けて、ご支援させていただければと思います。本日はありがとうございました。

 

 

石塚硝子 代表取締役 社長執行役員 石塚 久継（いしづか ひさつぐ）氏

1965年愛知県生まれ。1990年青山学院大学理工学部卒業後、富士銀行入行。1997年石塚硝子入社後、2004年取締役兼執行役員、2009年常務取締役、2011年取締役副社長を経て、2013年に代表取締役社長就任。2018年より現職。
タナベコンサルティンググループ タナベコンサルティング 代表取締役社長 若松 孝彦（わかまつ たかひこ）

タナベコンサルティンググループのトップとしてその使命を追求しながら、経営コンサルタントとして指導してきた会社は、業種・地域を問わず大企業から中堅企業まで約1000社に及ぶ。独自の経営理論で全国のファーストコールカンパニーから多くの支持を得ている。1989年にタナベ経営（現タナベコンサルティング）に入社。2009年より専務取締役コンサルティング統轄本部長、副社長を経て2014年より現職。2016年9月に東証1部（現プライム）上場を実現。関西学院大学大学院（経営学修士）修了。『100年経営』『戦略をつくる力』『甦る経営』（共にダイヤモンド社）ほか著書多数。

 

 

タナベコンサルティンググループ（TCG）

大企業から中堅企業のビジョン・戦略策定から現場における経営システム・DX実装までを一気通貫で支援する経営コンサルティング・バリューチェーンを提供。全国600名のプロフェッショナル人材を有し、1957年の創業以来15,000社の支援実績を持つ日本の経営コンサルティングのパイオニア。