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【研究リポート】

マネジメントDX研究会

企業は世の中の価値観の変化に対応し、持続的に成長する必要があります。自立型組織を構築し、実行力ある企業になるための進化型見える化を学びます。
研究リポート2024.06.11

トップアプローチでのトランスフォーメーション「わかる・できる・やる」:ビーイングホールディングス

【第5回の趣旨】
タナベコンサルティングのマネジメントDX研究会は、デジタル戦略のケーススタディー・ワークショップを通じてデジタル戦略のロードマップを描くことを目的としている。今期は「従来の見える化手法とDXを横断し、マネジメントをアップデートする」をテーマに掲げている。
第5回は、「デジタルオーガナイズ」を研究テーマに、企業の成長段階やリソース、風土などの諸条件を加味しながら、自社オリジナルのデジタル化を推進する体制について学ぶ。

開催日時:2024年5月20日~21日(北陸開催)

 

 

 

株式会社ビーイングホールディングス
代表取締役社長 喜多 甚一 氏

 

 

はじめに

 

ビーイングホールディングスは、石川県金沢市に本社を置く、生活物資に特化した総合物流企業である。中間流通事業者や小売事業者の倉庫を1つに集約し、物流業務の効率化を図る「運ばない物流🄬」を推進している。

 

同社は、リアルタイムで在庫や配送状況を見える化する総合物流システム「Jobs」を開発・導入し、サプライチェーン全体の合理化を実現。現場に適したデバイスも自社開発することにより、作業の省人化や安全性の向上を追求している。

 

これらの取り組みを通じて同社はDXを推進し、持続可能な物流システムの構築を目指している。

 


ビーインググループの一員として物流センターを運営する、株式会社アクティーの取締役事業部長・辻坂信秀氏にもお話しいただいた

 


 

まなびのポイント 1:長期成長戦略を実現するためのDX戦略

 

ビーイングホールディングスは、大手がやらない・やりたくないニッチ領域において、物流の6つの機能を自社で一貫して提供することで、日本における物流事業を独自に開拓してきた。これにより、時代の先を行くチャンスをつかみ、成長を続けている。

 

さらに、より確実にチャンスをつかみ、競争優位性を高めるために、ブランド力の向上、優秀な人材の確保、財務体質の健全化を図り、2020年に東証2部へ上場を果たした(現在は東証スタンダード上場)。

 

現在は、全国展開や既存顧客のシェアアップ、量の拡大と質の変革を目指す長期成長戦略を描き、それを実現するためのDX戦略を構築・実行している。

 


ビーインググループの物流センター

 

 

 

 

まなびのポイント 2:「D」より「X」が重要

 

DXにおいては、デジタル技術(D)よりもトランスフォーメーション(X)が重要である。トランスフォームの鍵は「情報の共有化」であり、そのためには、どこからでも、全ての情報を、リアルタイムで見ることができる仕組みが必要である。

 

デジタル技術はあくまで手段であり、企業全体の変革を実現するためには、組織文化や業務プロセスの抜本的な見直しが必要となる。データを基にサービス価値を高めつつ、事業拡大につなげることが重要である。同社では、Jobsで蓄積したデータを基にAIを活用し、BIツールを通して集約・分析することで、独自のデータドリブン経営を進めている。

 


ビーインググループのブランドシンボルであるロゴマーク「Being DNA」。顧客・取引先・株主・地域の人々などあらゆるステークホルダーとの結び付きと、同社のブランドビジョン「300年企業」の“3“や、“3つ”の経営目的「会社をつくる」「人をつくる」「社会をつくる」を象徴している

 

 

 

まなびのポイント 3:DX実現の近道はトップアプローチ

 

DX成功の最短ルートは、データ収集・可視化・分析、アクションプランの実行というプロセスを経て、データドリブンな経営を実現することだ。特に、リアルタイムでの情報共有と可視化が重要であり、そのためには、経営者自らがこのプロセスをリードし、ビジネスモデルを変革するという強い意志が必要である。

 

これにより、全社員が一体となってDXを推進し、「わかる・できる・やる」というアプローチが実現される。トップダウンのアプローチでDXを成功させることが、企業全体の成長を促進し、競争力を飛躍的に向上させる​​​​。

 

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